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「食材偽装」どこまで 三越伊勢丹も14店舗 4大百貨店すべて表面化
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三越伊勢丹ホールディングスは6日、日本橋三越や新宿伊勢丹などグループの百貨店8店と関連会社1施設にあるレストラン計14店舗で、ケーキのモンブランに使用した中国産のクリを「欧州産」とするなど、メニュー表示と異なる食材を使用した料理を客に提供していたと発表した。そごう・西武も、そごう千葉店など7店のレストラン計8店舗で、虚偽表示があったと明らかにした。
高島屋や大丸松坂屋百貨店でも虚偽表示が発覚しており、大手百貨店4グループすべてで問題が表面化。外部テナント任せで、ずさんな食材管理の実態が浮き彫りになった。
三越伊勢丹によると、虚偽表示があったのは、百貨店などに入居しているレストランで、すべて外部テナント。計52メニューで、約22万1千食、販売総額は約3億円に上った。
日本橋三越の「カフェウィーン」では、ケーキのモンブランに使用したクリを「欧州産」と表示していたが、実際はマロンクリームの一部を含めて中国産が使用されていた。
府中伊勢丹では、平成8年4月の開店当初から17年間にわたり、「桃源酒家」と「カオヤ」で、「芝海老」と表示した20メニューについて実際にはバナメイエビを使用。新宿伊勢丹の「維新號(いしんごう)」でも、7年前からバナメイエビを使用しながら、小さいものを「芝えび」、大きいものを「大正えび」と表示していた。
会見した三越伊勢丹の赤松憲常務執行役員は「レストラン側を信頼し、原材料について踏み込んだ確認を怠ったのが原因」と述べ、虚偽表示の経緯については「調査中だが、レストラン側に偽装の認識はなかったと思っている」と話した。
そごう・西武も虚偽表示があったのはすべて外部テナント。そごう徳島店(徳島市)のレストランでは、鹿児島産の牛肉を使用しながら、「阿波牛」と表示。そごう千葉店など5店舗のレストランでは「芝海老」と表示してバナメイエビを使っていた。そごう・西武は「メニュー表記の確認が十分ではなかった」としている。
小田急百貨店も6日、新宿店の「麦星byグリル満天星」で、結着材を使った加工肉を「ステーキ」と虚偽表示し、約1万8千食を提供したなどと発表した。
三越伊勢丹、そごう・西武、小田急とも虚偽表示のメニューを注文した客には返金するとしている。