【AI新時代】膨大な学習履歴から個別に最適化する教育分野 立ちはだかるAIの“苦手分野”とは?
更新会合ではAI活用を容認する声も出たが、「実現が不透明な中で導入を決め打ちするのはいかがなものか」といった意見などを踏まえ、同月末に公表された最終報告書で「AI」の2文字は本文から削除され、脚注欄にとどめられた。
「やはり、人間の機械に対する評価は辛い」。AIを使ったITベンチャー企業「学びing」(さいたま市)の斉藤常治社長は文科省の議論を見守りながらこう漏らした。
斉藤氏の会社は、数年前にAIを使って記述式問題の答案を採点する技術を開発。実用化の見通しにも自信を得て営業に奔走したが結局、契約にこぎ着けることはできなかった。
子供の将来に影響を与える大学受験採点へのAI導入の壁は、人間側の不信感に根差しているのかもしれない。数年前に辛酸をなめた斉藤氏の思いは、今も同じだ。
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AI研究は日進月歩だが、それでも記述式問題の自動採点に対する研究者の見通しは明るくない。


