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【書評】『中国共産党3年以内に崩壊する!?』宮崎正弘著

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【書評】『中国共産党3年以内に崩壊する!?』宮崎正弘著

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「中国共産党3年以内に崩壊する!?」  ソ連末期の症状…過程を分析

 昨年末、香港の雑誌が中国の行く末について、衝撃的な見出しを掲げました。本書のタイトルとも類似する「3年以内に中国共産党は崩壊」というものです。続けて「2014年に中国経済が崩壊しはじめ、2015年に共産党による秩序が瓦解(がかい)し、2016年に中国全体は昏睡(こんすい)状態に陥る」とその近未来を予想しました。長年、中国をウオッチしてきた宮崎正弘氏はこの「予言」をかなり現実味のあるものと読みました。

 かなり近い未来に中国共産党が崩壊するという「予言」に対しては疑義を持つ方も多いと思います。

 ですが、かつて独裁でならしたソ連の崩壊の日はある日突然、ブラウン管の向こうからやってきました。

 なぜアメリカと並び世界の大国と称されたソ連が呆気(あっけ)無くその地位から転げ落ちたのか。一見強固に見えたソ連も、政治の混乱などで国内が疲弊。ひと度どこかで異変が起きると一気に崩壊へと向かう下地ができていたのです。

 そしてまさに現在の中国も、そのソ連末期の症状に酷似しているというのです。

 本書では、実際の「中国共産党の崩壊プロセス」を克明に分析しました。

 世界第2位の経済大国、共産党一党独裁の覇権主義の中国の崩壊の先に何が起こるかを明確に予測することは難しいものの、世界および日本に与える甚大な影響はどうなるのか。その将来を考えるうえで、本書が何よりの参考書となることは間違いありません。(海竜社・1050円)

 海竜社 編集部 逸見海人

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