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書評
【書評】『仕事に効く 教養としての「世界史」』出口治明著
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「仕事に効く教養としての世界史」
「今日の日本について骨太に把握する鍵は、世界史の中にある」-。著者の出口治明さんは、日本で初めて独立系生命保険会社、ライフネット生命保険を立ち上げた、同社会長兼CEO(最高経営責任者)。大の歴史好き、読書好き、旅好きで、読んだ歴史書は5千冊を超え、訪れた都市は1千以上。母校の京都大学で「グローバル・リテラシー」の歴史講義を受け持ったこともあり、歴史の知識・見識の深さは一目置かれています。
今、ビジネスの現場では「世界のあちらこちらで日本の文化や歴史について問われたり、時の政府の行動や見解について問われることは、日常的に」なっています。本書は、人類5千年の歴史から、ビジネスリーダーである出口さんが、読んで、観(み)て、訪ねて、腹に落ち、インプット・アウトプットして得た10の視点で、現代を読み抜きます。
「中国を理解する四つの鍵」「じつはよく知らないドイツ、フランス、イングランドの成り立ち」「キリスト教、ローマ教会、ローマ教皇について」「交易の重要性」「アヘン戦争が西洋勃興と東洋没落との分岐点だった」などの本書のテーマを読み合わせると、たとえばキリスト教への私たちの知識がローマ教会を軸にしたものである理由や、「大航海時代」という言葉に流れる西洋史観の始まり、アメリカの特異性とその理由などが見えてきます。歴史好きな方はもちろん、ビジネスの教養として世界史をおさらいしたい方に、ぜひご一読いただきたい一冊です。(祥伝社・1838円)
祥伝社書籍出版部 栗原和子