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女性に多い悩み… ショーツで尿漏れ対策「おしゃれ」で「高機能」に
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ワコールのパッド内蔵型吸収ショーツ。しっかりと尿を吸収できるよう工夫されている=大阪市北区の阪神百貨店梅田本店 間もなくゴールデンウイーク。行楽地に出掛けたり、旅行したりする人も多い。ただ、外出の際、シニア女性に多い悩みが「尿漏れ」。「笑ったとき」「孫と遊んでいるとき」など、ちょっとしたきっかけで尿漏れを起こすことも多く、外出を控えるという人もいる。そんな悩みに応えようと、さまざまなタイプの尿漏れ用ショーツやシートが発売されている。(佐々木詩)
下着メーカー大手の「ワコール」(京都市南区)は平成16年、65歳以上の女性を対象とした尿漏れ用のショーツをアクティブシニア向けの衣料シリーズ「らくラクパートナー」から売り出した。25ccの尿を吸収するタイプと50ccタイプがあり、それぞれショーツに尿を吸収するパッドが内蔵されている。パッドは「V型構造」と呼ばれる溝を作る特許技術を使うことで、漏れた尿をしっかりと吸収し、表面に広げず、ベタつき感を軽減した。後ろのつたい漏れを防ぐため、長さの違う布を二重に使うことで、お尻のラインに密着させる作りにもなっている。ショーツのほか、100ccまで対応する着脱可能のパッドも販売している。
このショーツは、同社がシニア向けの商品開発を始めようとした際、最初に提案された。同社グッドエイジ営業部の佐藤美恵さんは「当時、尿漏れはなかなか人に言えない話題だったのが、少しずつテレビなどで見聞きするようになり、『みんな、あるよね』というふうに話が持ち上がりました」と話す。
百貨店のシニア衣料フロアや介護用品売り場で取り扱っており、売り上げは好調。ショーツは年間1万枚以上売れており、昨年は前年比で約110%の売り上げを記録した。今後はレース使いなどデザイン性の高い商品も販売する予定だ。
高齢者向け雑貨シリーズ「きらら」を展開している「サンハーティネス香産」(大阪市東成区)は今春、軽失禁用の「おでかけ安心ショーツ」を発売した。「富士紡」(東京都中央区)の繊維技術を使うことで吸収力や抗菌防臭性などを高めた。また、ゴムの締め付けを緩くするといった配慮をしながら、フロント部分にはレースをあしらい、色もピンク、モカ、アイボリーと3色を用意。パッケージもピンクを基調にかわいらしいイラストをあしらい、手に取りやすいように心掛けたという。同社広報担当の奥野裕行さんは「旅行に行ったりジムに行ったりした際、周りの視線を気にせず使ってもらえるよう作りました」と話している。
ショーツには抵抗があるという場合、便利なのが尿漏れシートだ。小林製薬(大阪市中央区)は平成22年、おりものシートブランドの「サラサーティ」から尿漏れ専用シートの発売を開始。同社ブランドマネジャーの西浦由香利さんは「シートの利点は、こまめに交換できること」と説明する。
尿漏れは出産や加齢により起こるとされ、同社が30~50代の女性に行った調査では5割以上が尿漏れに悩んでいた。西浦さんは「多くの女性が抱える悩みで、恥ずかしいことではありません。専用の商品を使って少しでも快適に行楽シーズンを楽しんでほしい」と話している。
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小林製薬が平成20年、30~50代の女性3000人を対象に尿漏れについてアンケートを行ったところ、55%が「尿漏れの経験がある」と答えたという。
「困ることは何か」(複数回答)と尋ねたところ、最も多かったのは「下着に尿が漏れる」(81%)。「ニオイ」(45%)▽「洋服まで尿が漏れないか不安」(37%)▽「肌のベタつき」(36%)-が続いた。
尿漏れの対処法としては、「おりものシート」(53%)と「生理用ナプキン」(44%)を使う人が多く、「尿吸収専用のシート」を使うと答えたのは27%にとどまった。「ティッシュやトイレットペーパー」と答えた人も22%いた。