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受験勉強 ネット支援多彩に
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インターネットを通じて受験勉強を支援するサービスが広がっている。スマートフォン(高機能携帯電話)で学習の達成度を確認して仲間同士で励まし合えたり、プロ講師の講義を割安料金で視聴できたりとさまざま。場所を選ばない利便性から、ネットに慣れた若者の人気を集めている。
「自分の勉強時間の偏りや仲間の情報もチェックできるので、スマートフォンは肌身離さず持っています」
東京大合格を目指し、大手の予備校に通いながら毎日5時間以上勉強している岡山市の県立高校3年の宮内直輝さん(18)。学習に活用しているのは、会員制交流サイト(SNS)機能を持つスマートフォンの無料アプリ(応用ソフト)「スタディプラス」だ。
使っている参考書などの教材をネット上に登録し、毎日の勉強時間や学習内容を記録。時間が自動的にグラフ化され、1日と週間、月間単位の学習量が一目で分かる。勉強時間の目標を設定することで、達成度合いも簡単に把握できる。
学習履歴は仲間同士で自由に閲覧することが可能で、同じ目標を持つライバルと情報を交換したり励まし合ったりできる。進学したい大学や興味のある科目といったテーマごとの「コミュニティー」もあり、キーワード検索で仲間を探せる。
スタディプラスの運営会社の広瀬高志社長は「仲間をつくることで、孤独な作業になりがちな受験勉強を続けるモチベーションの維持に役立つ」と話す。昨年3月の開始以来、会員数は20万人を突破し、うち約7割が大学受験生。現在は広告収入で運営しているが、今後は有料化も検討するという。
リクルートマーケティングパートナーズが提供する「受験サプリ」は、月980円で一流講師の講義をスマホやパソコン上で受けられるオンラインの予備校だ。
3段階のレベルに応じた高校1~3年の基礎講座(通年、5教科8科目)や、センター試験対策講座(5教科13科目)などを動画で配信。ネットが使える環境であれば、いつでもどこでも繰り返し視聴できる。
過去に出題された全国の主要100大学の入試問題も無料でダウンロードできる。このサービスも含めると会員数は2012年度で約20万人に上る。
受験サプリの松尾慎治編集長は「経済的な事情や住んでいる地域の条件から予備校などに通えない受験生に対し、有効な支援ツールになる。受験教育の格差解消につなげたい」と強調する。
総務省が9月に公表した青少年のインターネット利用調査では、高校1年生でスマホを持つ人は全体の8割を超えた。今後もネットを駆使した受験支援ビジネスは一段と活発になりそうだ。(SANKEI EXPRESS)