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食材虚偽表示の連鎖あと絶たず オークラ、JAL系ホテルでも
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百貨店やホテルのレストランで相次いだ食材虚偽表示があとを絶たない。11月7日には老舗のホテルオークラに加え、大丸松坂屋と東急、松屋、丸井、東武の各デパートで虚偽表示が判明した。これで三越伊勢丹、そごう・西武、高島屋、小田急を合わせた主要デパート9社すべてに拡大した。
ホテルオークラは7日、全国で運営する13ホテルと関連会社3社のレストランなどで提供した計235品目の使用食材とメニュー表示が異なっていたと発表した。2007年以降、虚偽表示で販売した総数は約38万6000食で、販売額は約8億7000万円に上る。
ホテルオークラの子会社JALホテルズも7日、運営する13ホテルで食材とメニュー表示が異なっていたと発表。2006年3月以降で販売は約13万食、約2億円相当。2社は「法令の認識が不足し、内部のチェック機能も働いていなかった」と謝罪した。利用が確認できれば返金に応じる。
両社によると、ホテルJALシティ田町(東京)とホテル日航姫路(兵庫県姫路市)では、ロコ貝をアワビとして提供。フカヒレスープに春雨と湯葉でできた人工フカヒレを混ぜていた。JALホテルズは「安く提供したいと思ったためだが、偽装と言われても仕方ない」としている。
ホテルオークラの全国のホテルとJALホテルズの7ホテルで、バナメイエビを芝海老と表示。オークラ系の茨城県つくば市と千葉県木更津市のホテル、JAL系の大阪市と那覇市のホテルでは牛脂を注入した肉を加工肉と表示せず「牛肉ステーキ」などとして提供した。
ホテルオークラJRハウステンボスでは、自家製ソーセージとうたいながら実際は外部に製造を委託していた。
2社はそれぞれ社長の報酬を当面の間、50~30%カットするなどの処分を発表した。
大丸松坂屋百貨店も7日、新たに札幌や名古屋、京都などの計9店舗に入居するレストラン17店で、表示と異なる食材を使った料理を提供していたことが分かったと発表した。東急百貨店、東武百貨店、松屋とファッションビルの丸井グループ(東京)も7日、首都圏の店舗で虚偽表示が見つかったと相次ぎ発表。食材の不適切管理は、主要百貨店の大半に及んだ。
東京都内で会見した大丸松坂屋の本多洋治取締役は「多大な迷惑をかけたことを深くおわびする」と陳謝。虚偽表示のあったメニューを注文した客には返金するとした。
虚偽表示があった9店舗は、「大丸」が札幌市の札幌店、大阪市の梅田店、京都市の京都店、神戸市の神戸店などで「松坂屋」は名古屋市の名古屋店など。入居しているレストラン計17店のうち16店は「つな八」「重慶飯店」などグループ外テナントだった。
≪消費者庁 食品表示法での規制検討≫
全国各地のホテルや百貨店で相次ぐ食材虚偽表示問題を受け、消費者庁が外食店のメニュー表示を規制する条文を食品表示法に盛り込む方向で検討していることが11月7日、消費者庁への取材で分かった。加工食品や生鮮食品の表示については、日本農林規格(JAS)法で品種や産地などを示すよう規制されているが、外食の表示については対象外だった。食品表示法に盛り込まれれば初めての規制となる。
消費者庁によると、外食産業に求めるのは、アレルギー物質を含む食材を明記するなど、安全性に関する表示や、産地・品質の表示など。これまでこうした規制がなかったことについて、庁幹部は「対面販売なので、その場で原産地などについて店員に尋ねれば分かると考えていた」と説明した。(SANKEI EXPRESS)