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壊滅の島「この世の終わり」 すさまじかったフィリピン台風被害

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壊滅の島「この世の終わり」 すさまじかったフィリピン台風被害

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台風30号のコース=2013年11月8日、フィリピン・レイテ島の中心都市タクロバン  フィリピン中部を11月8日に襲った猛烈な台風30号による死者・不明者は、当初の推計を大幅に上回り、レイテ島だけで1万人を超す恐れがあることが明らかになった。現地の警察幹部がロイター通信などに語ったもので、レイテ島で台風が通過した地域の70~80%の建物が破壊されたという。島の中心都市タクロバンでは、沿岸部が台風によって発生した高潮に襲われ、がれきが散乱。建物は破壊され、車両が横転するなどし、衝撃のすさまじさを物語っている。

 道路寸断で救援難航

 タクロバン(人口約22万人)はレイテ島の北東部の海岸に面した港湾都市で、首都マニラからは南東約580キロに位置する。フィリピン政府は軍を動員して、水や食料、テントなどを輸送。救援活動を本格化させているが、通信網や道路が各地で寸断され、難航している。ベニグノ・アキノ大統領(53)は10日午前、タクロバンを視察、さらに米政府に対し、フィリピンでの救援活動を米太平洋軍が支援してくれるよう要請した。

 マニラの日本大使館によると、レイテ島には約100人の日本人が居住しており、安否確認を急いでいるが、死傷者が出たとの情報はないという。

 フィリピンの国家災害対策本部は10日、タクロバンなどで死者が少なくとも151人に上ったと発表。フィリピン赤十字は死者を1000人以上と推定しているが、いずれも実態を反映していない可能性が高い。地元警察幹部のエルマー・ソリア氏は10日、ロイター通信に「集計ができていないだけで、被害はその程度ではない。昨夜、レイテ州の知事と話し合ったが、われわれの見立てでは死者は1万人を超す」と語った。

 津波のような高潮

 タクロバンの空港でマニラへ向かう軍用機を待っていた女性はAP通信に「空港までの道には優に100人以上の遺体があった」と証言。また、住民の一人はロイター通信に「人々は食べ物を探して、まるでゾンビのようにさまよっている。こんな悲惨な災害現場を見たことはなく、まるで映画のようだ」と話した。

 台風30号は今年発生した台風の中では最大規模のものだったが、被害がここまで拡大したのは、まるで津波のような高潮が発生したことによる。商用でタクロバンのホテルに滞在していた中国人女性はロイター通信に「高潮はホテルの2階部分まですっぽりとのみ込んだ。この世の終わりかと思った」と語り、ヘリコプターで上空から視察した内務省高官は「沿岸部の低層住宅は壊滅した。恐ろしすぎて見たことを描写できない」と声を落とした。

 スマトラ沖以来だ

 一方、フランス通信(AFP)によると、レイテ島に隣接するサマール島でも南西部の町バセイだけで300人の死亡が確認され、島全体で約2000人が行方不明になっているという。フィリピンでは2011年12月に台風が南部ミンダナオ島を襲い、1200人以上が死亡。12年12月の台風でも死者・行方不明者が1800人以上に達したことがある。

 国家災害対策本部によると、国内の約450万人が被災し、10日時点で約40万人が避難所に身を寄せている。国連人道問題調整室(OCHA)が災害支援調整活動のチームを派遣するなど、国際社会の支援も本格化し始めているが、レイテ島の被災地を訪れた国連関係者は「以前にこのような規模の災害を見たのは2004年12月に発生したインドネシア・スマトラ沖津波(死者・行方不明者約22万人)以来だ」と述べた。(SANKEI EXPRESS

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