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【カーリング】「母の力」五輪の夢つかんだ 5大会連続出場決定

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【カーリング】「母の力」五輪の夢つかんだ 5大会連続出場決定

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2014年ソチ冬季五輪会場=2014年2月7日~2月23日(開催期間)、ロシア・ソチ  カーリングのソチ冬季五輪世界最終予選最終日は12月15日、ドイツのフュッセンで女子の五輪出場決定戦が行われ、日本の北海道銀行がノルウェーに10-4で勝ち、2位で最後の10チーム目の枠を獲得した。女子の日本勢は5大会連続の五輪出場で、北海道銀行の5選手がそのまま五輪代表になる。チームを五輪へと引っ張ったのは、2002年ソルトレークシティー五輪(8位)、06年トリノ五輪(7位)に出場し、一度は第一線を退いたものの、ともに結婚、出産を経て現役復帰した小笠原(旧姓・小野寺)歩(あゆみ)選手(35)と船山(旧姓・林)弓枝選手(35)の「カーママ」2人だった。

 「最高の形になった」

 6点差がつき、最後の第10エンドをギブアップしたノルウェーの選手から握手を求められると、小笠原はその場にうずくまった。「頭が真っ白になって…。信じられなかった」。北海道銀行は五輪へのラストチャンスでノルウェーに圧勝。「チーム青森」のメンバーとして2度の五輪に出場した小笠原と船山が中心となって11年4月にチームを結成してから約2年半で大舞台への切符をつかみ、全員が涙を浮かべて抱き合った。

 序盤は苦しかった。有利な後攻で1点以上が奪えず、追う展開に。だが、第8エンドに胸のすくような大量点が生まれた。丁寧なショットで日本の赤いストーンをハウスにためると、相手がミスを連発。とどめを刺すように、最後に一つ残った黄色い石を小笠原が鮮やかにはじき出すと、カーリングでは珍しい「6」という数字がスコアボードに記された。

 小笠原は「夢に向かっている親の姿を子供に見せる機会はなかなかない。最高の形になった」と満面の笑みを浮かべ、船山も「子供の力を借りながらプレーした」と喜びをかみしめた。ともに4歳の子供を持つ2人は北海道常呂(ところ)町(現・北見市)育ちの同級生。中学時代からのチームメートで、トリノ五輪後に2人とも一線を退いた。

 衝動に駆られ復帰

 09年に小笠原は男児、船山は女児を出産し、「普通の生活」を送っていたが、「夢を追わない生活になって息苦しかった」(小笠原)。3年前、バンクーバー五輪をテレビで観戦していた小笠原は、衝動に駆られるように復帰を決意した。炊事、洗濯をこなし、子供の保育園の送り迎えを夫と分担しながら練習の時間を確保した。「しんどいけど、自分で決めたことだから手を抜いちゃ駄目」と全力で取り組んだ。

 チーム結成当初は札幌近辺で練習場を確保できず、車で2時間かかるリンクへの道のりを吹雪に阻まれたこともあった。だが、母になり、たくましさが増したという小笠原は「ここぞというときに決められるようになった。動じなくなったし、忍耐強くなった。このチームで五輪の切符をつかめて幸せ。みんなに感謝したい」と涙をぬぐった。

 海外ではママさんプレーヤーも多いカーリングだが、日本にはまだ少ない。遠征中は親戚に子供を預けるなど周囲の支えは欠かせない。船山は「チーム結成から短い時間でこれだけの結果を出せてうれしい。(結婚、出産後に)再挑戦して本当に良かった。環境が整わずに夢を断たれる選手がたくさんいる中、思う存分練習できる環境を整えてくれた人たちに感謝したい」と殊勝に語った。

 強豪ぞろいの五輪では「現実を見ると1勝できるかどうか」(小笠原)という厳しい状況が待ち受けるが、大舞台で再び、「母の力」を見せてほしい。(SANKEI EXPRESS

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