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あまちゃん人気で大注目「まめぶ汁」

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あまちゃん人気で大注目「まめぶ汁」

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NHK(日本放送協会)では、2013年12月30日午前8時から「暦の上ではディセンバー_これで見おさめ!?_じぇじぇじぇ!“あまちゃん祭り”」と題し、全156話を一挙放送する(NHK提供)  岩手県久慈市の郷土料理「まめぶ汁」の人気が急上昇中だ。全国的にほぼ無名だったが、東日本大震災の被災地で炊き出しとして振る舞われたり、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で取り上げられたりしたことで知名度がアップ、11月9~10日に愛知県豊川市で開かれた第8回「B-1グランプリ」では5位に入賞した。

 麺類禁止令に由来

 まめぶ汁は、クルミと黒砂糖を包んだ団子「まめぶ」と豆腐、野菜などが、コンブや煮干しからだしを取ってしょうゆで味付けした汁に浮かぶ。塩辛いのに甘いどこか優しい味は、体だけでなく心も温めてくれる。

 発祥の地は、久慈市山形地区(山形町)。冷たい東寄りの風「やませ」が吹きおろす山あいにあり、コメがとれにくく、クルミは貴重な栄養源となってきた。「とてもおいしい」を「クルミ味がする」と表現する住民もおり、町では「一家にクルミの木が必ず1本ある」といわれるほどだ。

 もともとは、山形地区で祝い事の際に食べられる料理だった。発祥ははっきりしないが、岩手食文化研究会代表の菅原悦子岩手大教授(食生活学)によると、江戸時代に凶作のため、小麦やソバを大量に使う麺類の禁止令が出たことから「まめぶ」を食べる文化が始まったといわれる。団子を浮かべた汁ならぜいたく品には当たらないとの庶民の知恵だ。

 名前の由来も諸説あるが、団子と形状が似た「まめふ」がなまったという説や、「健康で達者に暮らせるように」を意味する「まめまめしい」が語源ともいわれる。

 山形地区では団子の形やだしの取り方などが各家庭によって異なる。地元の住民は「嫁ぎ先で実家の味を否定されて落ち込むのが、新婚の嫁の常だった」と話す。

 山形地区の町おこし

 一部地域でしか知られていなかった、まめぶ汁を広めるきっかけの一つは東日本大震災だ。

 山形地区の青年会のメンバーらがまめぶ汁で町おこしをと、2010年4月に結成した「久慈まめぶ部屋」が、岩手・宮城両県の沿岸部で半年間炊き出しをし、計約1万食を提供した。

 その勢いで11年からご当地グルメによる町おこしの祭典B-1グランプリに出場。11年、12年は入賞を逃したが今年は5位に。部屋頭の小笠原巨樹さん(35)は「まさにあまちゃん効果。今後もまめぶ汁で久慈の魅力を発信していきたい」と意気込んでいる。(SANKEI EXPRESS

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