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インテル、動き模写する3Dカメラ開発 ウエアラブル端末のさらに先へ

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インテル、動き模写する3Dカメラ開発 ウエアラブル端末のさらに先へ

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米ネバダ州ラスベガス  半導体世界最大手の米インテルは1月6日、ノート型パソコンやタブレット端末に取り付ける最新型の3D(3次元)対応カメラを開発したと発表した。

 今年後半には米デルや日本のNECなど計7社がこのカメラを搭載した製品を発売するが、これらの製品は人間の体や指先の動きを3D対応カメラが捉(とら)えて画面上で立体模写し、手や指を動かすことでパソコンの操作やゲームができるという。

 眼鏡や時計など体に装着する「ウエアラブル端末」が主流になるといわれるなか、インテルの新技術はウエアラブル端末のさらに先を行くものとして注目されそうだ。

 「われわれは3D(の技術)が自由に使えるのに、なぜコンピューターに2D(の技術)を使う必要があるのだ?」

 インテルの上席副社長兼知覚コンピューティング・グループの総責任者、モリー・エデン氏は、米ラスベガスで開催中の国際展示会「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」でこう呼びかけ、最新型3D対応カメラを用いた「リアルセンス技術」を実演した。

 身ぶりでゲーム

 英BBC放送や米科学技術誌MITテクノロジー・レビューなどによると、この技術は従来の2Dカメラに3Dカメラの奥行きを加えたもので、SF映画の世界を凌駕(りょうが)する機能を誇る。

 マウスを使わず、画面の前で指を動かすだけでパソコン操作ができるのは当たり前。造形物を作る手まねで画面に実際の造形物ができあがり、そのデータを3Dプリンターに入力すれば同じ造形物も製造できる。

 また、身ぶり手ぶりでピンボールや戦闘ゲームも。動画撮影や3Dならではの顔認証も可能で、米マイクロソフトとともにテレビ電話「スカイプ」の技術を用いたリアルな3Dテレビ会議の技術も構築した。この技術が普及すれば、将来、家電からリモコンが、自宅から鍵が必要なくなりそうだ。

 カメラの回路基板は長さ約13センチの細い棒状で、コイン並みに薄いことから、どこにでも簡単に取り付けられる。米グーグルが昨年(2013年)5月に試験発売したグーグル眼鏡や、米アップルが開発中とされる腕時計型端末、アイウオッチといった身に付ける「ウエアラブル端末」を超える技術だが、エデン氏は「社としてこの技術を将来、最低価格のパソコンの標準機能のように普及させ、同時にコストダウンを図りたい」と訴えた。

 ムーアの法則

 関係者もこの技術の将来性を高く評価している。ある専門家はBBCに「(パソコンなどへの)3Dカメラ組み込みの主流化を後押しする」と予測。英調査会社ジュニパー・リサーチのトニー・クラブツリー氏も「業界に新鮮な勢いを与えるだろう」と評価した。

 3Dカメラの作動には、より処理速度の高い半導体が必要となることから、インテルの収益源が広がるとの見方もある。

 しかし、インテルの野望はさらに先をにらんでいる。それを支える理念がインテル創業者のひとりで現名誉会長のゴードン・ムーア氏(85)が唱えた「ムーアの法則」だ。ムーア氏は創業3年前の1965年、集積回路上のトランジスタ数は「18カ月ごとに倍になる」と提唱し、半導体業界の指針となった。

 この法則にのっとり、エデン氏は「今後12年以内にチップ上のトランジスタ数は人間の脳内のニューロンの数に追い付く」と予測。同時に、性能が高まるとともにコンピューターはもっと自然な形で人間と関わらなければならない、と強調した。それを可能にするのが「リアルセンス技術」という位置づけだ。

 「この技術は、3D対応カメラで人間の表情の変化を捉え、的確に対応できる。音声認識ソフトを組み込めば、パソコンとの自然な会話も可能だ」

 こう胸を張るエデン氏ら開発者たちは、限りない技術革新を求める創業理念に支えられながら、人間とコンピューターの関係を一新させようとしている。(SANKEI EXPRESS

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