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保存決まった国立競技場聖火台 50年「聖地」見守った炎

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保存決まった国立競技場聖火台 50年「聖地」見守った炎

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国立競技場の聖火台の上に乗るように朝日が昇った=2013年12月15日、東京都新宿区(鈴木健児撮影)  1964年の東京五輪開会式でハイライトとなった、聖火点火が行われた国立競技場(東京都新宿区)の聖火台が保存されることになった。国立競技場は現在地での建て替えが決まっており、聖火台の行方が注目されていた。

 半世紀にわたって、さまざまな競技を見守り、スポーツの聖地のシンボルとしてともし続けた聖火台。今回取材のために特別に許可を得て、黒く輝く聖火台の脇に脚立で昇って聖火を間近に見た。50年の歴史を物語る炎が真冬の青空に栄えた。

 メーンスタンドの北西方面には新宿副都心のビル群がそびえ、南西方面には富士山が顔を出す。東には霞が関の官庁街やかなたに東京スカイツリーも望める。ビル10階分に相当する約38メートルの位置にある聖火台付近は風がかなり強く、聖火もゴーゴーと音をたてながら燃えていた。手を伸ばせば届くような至近距離でカメラを構えていると、風向きによって炎がなびく方向を変えて、迫ってくる。油断していたら髪の毛とまつげが焦げてしまった。

 聖火台は国立競技場のバックスタンド中央最上部に設置されており、高さと直径が約2.1メートル、重さは2.6トン。東京五輪開幕の6年前に、埼玉県川口市の鋳物職人、鈴木萬之助さんと息子の文吾さんによって鋳造された。

 現在約5万4000人を収容できる国立競技場は、東京五輪以降も、サッカーJリーグの開幕ゲーム(1993年5月)や世界のスーパースターが集まるトヨタカップの決勝戦、ラグビー日本選手権のほか、年に一度のSMAPや嵐など人気アイドルグループのコンサートも行われ、スポーツとエンタメの「聖地」としての役割を担ってきた。

 ≪工事目前 残るチャンスは10回≫

 聖火は各イベントの主催者の要請があったときのみ点火され、昨年(2013年)は20回程度点火された。今年の聖火の点灯は、元日のサッカー天皇杯決勝で始まったが、2020年夏季五輪・パラリンピックに向けて、7月1日から国立競技場の解体工事が始まるため、残り10回程度の点火とみられる。

 文部科学省は聖火台と東京五輪の金メダリストの国名と名前を刻んだ銘盤などの「五輪遺産」の保存を決定。国立競技場を運営する日本スポーツ振興センターが保存のための検討委員会を開いて具体的な保存方法を決めるという。

 最後の聖火点火はいつになるのか。現在、ラストイベントについては調整中だ。新国立競技場が完成する2019年まで、聖火台は川口市などゆかりのある市町村に貸し出すことも検討されているという。

 2度目の東京五輪も、この地で生まれ変わる新国立競技場がメーンスタジアムとなる。スポーツの「聖地」で新たな歴史が始まる。(写真・文:写真報道局 鈴木健児/SANKEI EXPRESS

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