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社会人講師に学ぶ「土曜塾」(2-1) リスク恐れず 最初に行動するペンギンに

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社会人講師に学ぶ「土曜塾」(2-1) リスク恐れず 最初に行動するペンギンに

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土曜塾が目指している最初に行動を起こす「ファースト・ペンギン」(イラスト:武内優里子さん提供)  【Campus新聞】

 毎週土曜日に中央大学のキャンパスの一室で「土曜塾」という講座が開かれている。大学の授業や講義ではない。学生たちが主体となって、さまざまな分野で活躍する社会人を講師に招く。建築家やベンチャー経営者、歯科医師から普通の会社員や公務員と講師は多士済々。テーマも「歴史から学ぶリーダーシップ」や「一生働きたい会社の見つけ方」といった実践的なものから「育休とったらこうだった」という男性会社員の体験談などバラエティーに富む。学生たちは先輩社会人の講義から何を感じ、学んだのか。中央大学土曜塾企画委員会の学生記者がリポートする。

 □今週のリポーター 中央大学 土曜塾企画委員会 有志学生記者

 毎週土曜日の午前中に中央大学の一室で開かれる講座「土曜塾」。2012年度に始まり、これまでに21回が開かれた。社会人を講師に招き、参加者は与えられたテーマに基づきグループワークを行う。大学の授業とは違い、参加は任意で、講師もボランティアだ。

 土曜塾の魅力はまず、間口が広いこと。参加は、学部や学年を問わないだけでなく、他大学の学生や高校生、社会人も対象にしている。講師の職業も建築家、経営者、歯科医師、公務員と多士済々だ。開かれた場で、新しい人に出会い、多種多様な知識や価値観と巡り会うことができる。それは、同じ価値観や同じ夢を持つ人かもしれないし、自分とはまったく逆の考え方を持つ人かもしれない。予想できない出会いが待っている。それが土曜塾の大きな魅力だ。

 2つ目の魅力は、新しい自分との出会い。グループワークがその鍵となる。講義を聴いた後、講師が用意した「問いかけ」に対し、3~4人で討議を行い、自分たちの答えを発表する。ここで重要なのは「発言」することである。発言するために考え、その発言に対して、相手から意見をもらい、また相手の発言に対して意見を言う。こうしたプロセスを通じ新しい自分に気づくことができるのだ。

 発言するという行為自体に大きな意味がある。土曜塾は、「ファーストペンギン」(「群れから最初に海に飛び込むペンギン」=「会議や授業で最初に発言する人」)の理念を大切にしている。

 最初に行動を起こすことにはリスクも伴うが、同時にチャンスもある。「その時に決断して行動が起こせる人」になることが、土曜塾の目標なのだ。

 ≪柔軟な発想でイノベーション 金融マン、蛭間芳樹さん≫

 講師は、日本政策投資銀行に務める蛭間芳樹さん(29)。蛭間さんが手掛けているのは、「BCM格付融資」という金融ビジネス。これは企業の防災対策や事業継続対策を総合的に評価し結果に応じて金利を設定するという世界初の金融商品である。

 蛭間さんは工学部出身のエンジニアで都市危機管理を研究し就職。経済や金融は専門ではなかったそうだ。「専門ではないからこそ、当たり前の前提を疑うことができる。社会問題解決のために専門分野を越境した柔軟な発想ができ、既存の固まった考え方に風穴をあけ、イノベーションを起こすことができる」と話してくれた。

 防災と金融を結びつけたパイオニアである蛭間さんには、もう一つ別の顔もある。ホームレスが選手のサッカーチーム「野武士ジャパン」の監督だ。野武士ジャパンは、「ホームレスワールドカップ」という世界大会に日本代表として出場している。

 2011年パリ大会までの成績は13戦全敗。それでも参加した選手は、「勝ち負けを気にせず、試合を通じて自分自身に自信が持てるようになっていた」と、蛭間さんは言う。ある選手は蛭間さんに「大会を通じて、あきらめない力と人を信頼することを学んだ。自立に向けて行動したい」と誓った。

 防災と金融を結びつけるビジネスとホームレスの社会復帰を支援する野武士ジャパンの活動。「社会の課題解決のための挑戦」を続ける蛭間さんから強い刺激を受けた。(今週のリポーター:中央大学 土曜塾企画委員会 有志学生記者/SANKEI EXPRESS

中央大学 土曜塾企画委員会 有志学生記者

取材・記事・写真:武内優里子(3年)、大浦彰友(3年)、北村慎太郎(2年)、野村遼太(2年)、土屋涼介(2年)、佐藤広基(1年)、勝野智香子(1年)

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