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中医協が診療報酬改定案を答申 重症病床を削減 リハビリ転換促す
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≪主治医に月1万5030円≫
厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会は2月12日、2014年度診療報酬改定の内容をまとめ、答申した。持病が複数ある高齢者らを診る主治医の役割を重視して月額1万5030円の報酬を新設。重症患者向け病床を減らし、症状が安定した患者向けの「回復期病床」への転換を図る。消費税増税に伴い初診・再診料は引き上げる。
一部を除き4月から実施し、患者は窓口で1~3割を負担する。高齢化の進行で完治しにくい慢性の病気を患う人が増えるため、医療の提供体制を見直していく。消費税増収分も活用し、団塊の世代が全員75歳以上になる25年に備える。
主治医への新報酬は定額制の「地域包括診療料」。かかりつけ医として高血圧症や糖尿病など複数の疾患がある人を継続的に診察し、健康状態をきめ細かく把握している場合に支払う。対象は中小病院(200床未満)か診療所。必要があれば専門病院を紹介するなどして、医療機関の機能分担を進める。
重症患者向けの「急性期病床」は1日1万5660円と報酬が最も高いが、対象外の患者の入院が多いと批判があった。10月から基準を厳格化して、現在の約36万床を約9万床削減する方針だ。
一方で回復期や慢性期に使う病床では、どれだけの患者が退院して在宅に復帰できたかを指標に、現状より手厚い入院料を設定。急性期病床からの転換を促す。
初診料は120円増の2820円、再診料は30円増の720円に。増税による医療機関の仕入れコスト増への配慮だ。認知症対応では集中リハビリの報酬を新設。胃ろう患者が回復した場合は報酬を上乗せする。
診療報酬は原則2年ごとに改定され、14年度は0.1%引き上げる。ただ消費税増税への対応分を除けば、実質1.26%減となる。
≪重症病床を削減 リハビリ転換促す≫
病気やけがで治療を受けたときに医療機関に支払われる診療報酬が、4月から変わる。今後のさらなる高齢化に備え、リハビリの充実を求めたり、在宅医療を担う主治医の役割を重視したりしたのが特徴。厚生労働省が示したモデルケースを基に、患者の負担がどう変わるかを探った。
入院患者がなるべく早く自宅に帰れるよう、手厚いリハビリを行う病棟向けの入院料を新設する。脊椎圧迫骨折で30日間入院した62歳の女性が条件に該当すると、入院料はこれまでより高くなるが、個別にリハビリ料を支払う必要がなくなるため、全体の医療費はこれまでの81万2270円から79万8550円に下がる。医療費の負担を軽減する高額療養費の支給を受けた後の自己負担は8万5553円から8万5416円になり、137円減る。救急医療では、現場の負担を軽減するため、経験豊富な医師を複数置くなど人員配置を手厚くした場合の報酬を増やす。患者負担も高くなるが、充実した医療を期待できる。58歳の男性が脳梗塞で手術すると、自己負担は8万9372円から9万1970円に引き上げられる。
認知症でも早期に集中的なリハビリを実施することにより、早期退院を促す。認知症の68歳男性が症状悪化で30日間入院した場合、自己負担は8万1710円から8万2727円に上がる。
今後、糖尿病など複数の慢性疾患を持つ人が増えるため、身近な主治医にさまざまな相談をしながら、総合的な健康管理を受けられるよう「地域包括診療料」を創設する。糖尿病と脂質異常症(高脂血症)の治療で、月2回通院する75歳の男性の医療費は1カ月当たり1万2770円から1万8650円、自己負担は1280円から1870円にそれぞれ増える。
病気が重くなっても入院ではなく、在宅で療養できるよう、緊急往診や訪問看護の態勢を強化し、質の高い在宅医療が受けられるようにする。末期の肝臓がんで、自宅で療養している78歳の男性では、訪問看護療養費が引き上げられ、1カ月当たりの医療費は28万1150円から28万9990円、自己負担は2万8120円から2万8990円になる。一方、集合住宅の中で複数の患者宅を同じ日に訪問診療するのは、医師の負担が比較的小さいため、報酬を減額する。高齢者向けマンションに住む82歳の女性が高血圧症と糖尿病の治療を自宅で受けると、これまでは1カ月当たりの医療費が5万4000円、自己負担は5400円。4月からは、ほかの入居者と一緒に訪問診療を受けると医療費が1万4060円、自己負担は1410円に下がる。(SANKEI EXPRESS (動画))