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「整形韓流」外国人急増 腕が良くて割安、中国人に人気
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韓国・首都ソウル
「美容整形大国」と呼ばれる韓国で整形手術を受ける外国人が急増している。特に中国の裕福な女性を中心に「整形韓流」として人気が広がり、高い技術と比較的手頃な費用を求めて続々と訪れる。一方で悪質な仲介業者にだまされたケースや手術トラブルの相談も増えており、医療観光を推進する韓国政府も悪徳業者には注意するよう呼び掛けている。
「中国では整形をすると決めたら、真っ先に思い付くのが韓国。腕が良くて安全だと評判よ」
整形外科がずらりと立ち並ぶソウルの江南地区で、しゃれた外装がひときわ目立つ「JK整形外科」。中国・杭州市から訪れた大学生の叶涛さん(25)が声を弾ませた。
叶さんは、ここで手術を受けた知人の紹介で来院。コンプレックスだった目の下の脂肪を取り除くつもりだ。「女性なら誰しもきれいになりたいでしょ」。周囲も整形に特に抵抗はないと話す。
海外からの顧客が約65%を占めるJK整形外科のモットーは「空港から空港まで」。空港への送迎や術後ケアのための宿泊、通訳、市内観光まで全て手配する「ワンストップサービス」が売りだ。
韓国保健福祉省によると、韓国政府が正式に外国人の医療観光受け入れを始めた2009年に791人だった中国人の整形患者は、12年に9833人に急増。13年はさらに増えたとみられる。JK整形外科も外国人客の8割が中国人。最近はインドネシアやマレーシアなど東南アジアの客の増加も著しいという。
アジアで人気を博す韓流スターへの憧れのほか、豊富な臨床経験に基づく医師の腕の良さや、日本の5~7割とも言われる手頃な費用が強み。JK整形外科の朱権代表(47)は「世界中の医師が研修のため韓国を訪ねて来る。今や韓国の整形技術は世界をリードしていると言っても過言ではない」と胸を張る。
顧客増加で施術分野も多様化。このところ勢いを増しているのは中高年のアンチエイジング(老化防止)だ。寿命が延びる中、より若々しい容姿を保ちたいとの需要が増加。JK整形外科には、サッカーの韓国代表監督を務めたオランダ人のヒディンク氏やキルギスの大統領夫人も訪れた。
整形手術の増加に伴い手術をめぐるトラブルも増えている。韓国消費者相談センターに昨年(2013年)寄せられた整形関連の被害相談は約4800件。「小顔」にするため顎を手術した女性が死亡する事故も相次いだ。
韓国公正取引委員会は昨年(2013年)12月、手術前後の変化を過度に強調し、客観的根拠のない効果をうたうなど誇大広告を行った13病院に対し、是正措置を決定。整形を検討する際、広告をうのみにせず副作用や被害事例などを確認した上で慎重に決めるよう呼び掛けた。
就職のための整形が珍しくなくなるなど普及が進み、整形に対する韓国社会の否定的な認識はすっかり薄れた印象だが、「外見至上主義」の横行を憂える声もある。中学・高校の講師、李宝庚さん(32)は「容姿を過剰に重視するメディアなどの影響で、子供たちが自分の容姿に肯定感を持ちにくくなっている。手術で手軽に外見を変える前に、もっと自尊心を育てられる社会であってほしい」と話した。(共同/SANKEI EXPRESS (動画))