SankeiBiz for mobile

記録的な大雪 農作物250億円被害 群馬など9県

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの社会

記録的な大雪 農作物250億円被害 群馬など9県

更新

大雪で倒壊したイチゴのビニールハウス=2014年2月16日午前、栃木県真岡市(農家提供)  2週連続の記録的な大雪の影響による農産物関連の被害が、少なくとも9県で約250億円に上ることが2月19日、産経新聞社のまとめで分かった。ほかに、被害額を出していない8都道県でも被害が確認されており、被害総額は大幅に増える見通し。

 2月19日現在で被害が目立つのが、群馬県で139億7000万円(推計)。主力のキュウリやトマトを中心に広範囲で被害が出た。栃木県では農業施設やイチゴなどの被害が少なくとも70億1000万円に上るとしている。

 総務省消防庁によると、大雪の影響による死者は8県で20人となり、けが人は471人に上った。住宅被害は337棟という。

 産経新聞社の19日午後1時までのまとめでは、依然として7都県(40市町村)で4000人以上の孤立状態が続いている。(2月)14日の大雪から6日目を迎え、自衛隊や自治体は除雪作業を急ぐとともに、道路の通行止めで孤立状態になっている山梨県などの住民のため、食料や燃料、薬品といった物資をヘリコプターで搬送した。

 山梨県などによると、笛吹市では脳梗塞患者の薬が2月18日で切れたことから、食料と合わせて19日午後に空輸。100人以上が孤立する大月市では食料や燃料の在庫が1~2日程度となっており、自衛隊のヘリが順次搬送した。

 山梨、長野両県などで運休が続いていたJR中央線は、5日ぶりに始発から全線で再開し、通常より本数を減らして運転した。特急は運休が続いた。

 ≪山梨ブドウ農家「60年以上やっているが初めて」≫

 山梨県のブドウ農家や栃木県のイチゴ農家は、大雪の被害の大きさに頭を抱えている。

 「60年以上農業をしているが、こんな雪は初めて。想定していなかった」。ブドウの生産量が日本一の山梨県で、ブドウやスモモを栽培している南アルプス市の農業、秋山高則(たかのり)さん(84)は嘆く。

 秋山さんが所有する約60アールの畑の周辺には約60センチの雪が積もっており、ブドウの棚がつぶれていたり、スモモの枝が折れていたりした。近所では、ビニールハウスがつぶれている農家も多い。「早く被害の状況を確認しないと、今後の見通しを立てることもできない」とため息をついた。

 ハウス5棟倒壊

 イチゴの収穫量日本一を誇る栃木県でも、ビニールハウスの倒壊などが相次いだ。県内有数の産地、真岡市のイチゴ農家の男性(34)は「収穫、出荷の最盛期だっただけにかなりの痛手です」と話す。

 男性の農園では「とちおとめ」などを生産しているが、これから苗を育てるビニールハウスが雪の重みで5棟倒壊。「3月初めまでになんとか建て直さないと、春の収穫が壊滅的になる」と頭を抱える。

 イチゴの生育にはハウス内の温度を5~6度に保つ必要があるが、鹿沼市では2月15日に停電があり、花や果実が霜で痛んでしまった農家もあるという。

 自動車工場は復旧

 記録的な大雪の影響で、部品が届かず操業を停止していた自動車各社の工場が19日、いずれも復旧した。部品が到着したことから19日夜以降の操業にもほぼめどがつき、通常体制となった。東日本大震災で供給網(サプライチェーン)の寸断による操業停止を経験した自動車各社は、調達先を複数化するなどの対策を講じてきたが、万全でないことが浮き彫りとなった。

 富士重工業は19日、未定としていた群馬県の全工場をこの日夜から通常操業すると決めた。「高速道路が寸断された状況が解消され、部品供給が確保できる状態に戻ったため」(富士重工業)という。ただ、20日以降の操業については引き続き注視するという。

 在庫積み増せず

 同様に日産自動車は、部品の到着を受けて栃木工場(栃木県上三川町)の生産を18日夜から順次再開し、19日早朝には通常操業に戻った。操業停止中も「従業員の出勤に影響はなかったので、(設備の)改善活動などに充てた」という。

 このほかトヨタ自動車は生産を止めていた豊田市、田原市の計4工場すべてが18日に復旧し、20日以降も通常通り操業する。ホンダも寄居工場(埼玉県寄居町)の操業を18日午後から通常体制に戻した。

 各社の工場は、4月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要や新車の投入によりフル生産が続いていた。少しでも多くの出荷が必要な時期だけに、生産停止の影響は少なくない。

 東日本大震災以降、自動車各社は調達先の多様化や、部品在庫を多く持つなどの対策を講じてきた。だが、「フル生産が続く状況で、部品在庫の積み増しができなかった」(自動車大手)ことから、大雪による“想定外”の操業停止に追い込まれた。記録的な大雪は、物流網を含めた生産体制に重要な経営課題を突き付けた形だ。(SANKEI EXPRESS (動画))

ランキング