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企業×女子中高生の商品開発

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企業×女子中高生の商品開発

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 企業が女子中高生と共同で商品開発をする動きが広がっている。自転車や文房具など女子生徒がブームの火付け役になりそうな製品について、生の声を聞き、ヒットを狙う。生徒の職業体験に役立つと積極的に企業に協力する学校も出ている。

 読者モデルの声反映

 ブリヂストンサイクルが2月に発売した電動アシスト自転車「ステップクルーズe」の売れ行きが好調だ。淡いグリーンの車体に薄茶色のサドルを付け、かわいらしさを強調した。

 10代女子に人気の雑誌「セブンティーン」と手を組み、中学2年~高校3年の読者モデル9人が開発に加わった。「スカートでもまたぎやすく」などの意見が集まり、見た目の良さと実用性が両立したという。

 少子化の影響で国内の自転車需要は減少しているが、電動自転車の伸びは続いている。ただ、主婦や高齢者向けが中心で、若い世代の市場開拓が課題だった。今は限定販売だが、ブリヂストンサイクル開発担当の後宮真緒さんは「中高生の本音を取り入れて完成できた」と自信を見せる。

 文房具メーカーのゼブラも雑誌と協力。1月に発売したコラボ商品のボールペン「サラサクリップ」は、ピンク色の本体のところどころにドクロのイラストをあしらった。インクからはミントの香りがする。

 女子中学生が中心読者層の雑誌「ピチレモン」に登場する中学2年~高校1年の人気モデル数人の要望や注文を反映、一風変わった新製品に仕上がった。

 ゼブラ商品開発部の中村加奈恵さんは「流行の先端を走るモデルたちの感性は数百人の消費者モニターの意見に匹敵する」と分析。今回発売したのは販売本数限定の8種類だが、今後も同様の開発手法を検討する。

 長年売れてきた定番商品サラサクリップのファンが若い世代に広がるきっかけになると期待する。

 将来考えるきっかけに

 生徒が職業を体験し、将来の進路を考える貴重な機会になると、企業と連携する学校も目立つ。横浜市の女子高校の高木学園は、2009年に地元名物のシューマイ店を展開する崎陽軒(横浜市)と協力、女子高生一押しのコラボ弁当を完成させた。

 13年には森永乳業の人気アイスクリーム「チェリオ」の新製品作りにも携わった。生徒20人が放課後や夏休みに集まって商品のアイデアや効果的な販売方法を議論した。

 高木学園2年生の荒木萌花さん(17)は「大勢の仲間と力を合わせて、最初から最後まで一つの製品を作り上げる喜びを味わった」と振り返る。高木暁子理事長は共同開発をきっかけに「大学で商品デザインを専攻した卒業生もいる。生徒の間で将来の就職への意識が高まるのでは」と語っている。(SANKEI EXPRESS

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