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差別許さない 浦和に厳罰 Jリーグ、横断幕で初の無観客試合処分
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浦和レッズが処分される対象となったサガン鳥栖戦。熱狂的なサポーターに支えられた浦和のホームスタンドは、常にチームカラーの赤で染まる=2014年3月8日、埼玉県さいたま市緑区の埼玉スタジアム(吉沢良太撮影) サッカーのJリーグは3月13日、埼玉スタジアムで(3月)8日に行われたJ1の浦和-鳥栖(とす)で、浦和サポーターが掲示した「JAPANESE ONLY」の横断幕が「日本人以外お断り」とも解釈でき差別的だったとして、浦和に譴責(けんせき)と無観客試合の処分を科した。対象は23日に埼玉スタジアムで行われる清水戦。入場料収入がなくなる無観客試合は今季、新たに適用された規約に盛り込まれた制裁で、これまでの制裁で最も重い処分となる。差別撲滅を掲げる国際サッカー連盟(FIFA)の方針に従い、Jリーグ最多の入場者数を誇る人気クラブに異例の厳罰が下された形だ。
無観客試合は、入場料収入がなくなり、主催者に大きな負担となる制裁。Jリーグがクラブに科せる9種類の制裁<(1)譴責(2)制裁金(3)中立地での試合(4)無観客試合(5)試合没収(6)勝ち点減(7)カップ戦の出場権剥奪(8)下位ディビジョンへの降格(9)除名>のうち5番目(リーグ戦に限る)に重く、浦和は1試合平均約1億円の入場料収入を失う。
Jリーグの村井満チェアマン(54)は厳しい処分を科した理由を「問題の本質が極めて重いものであるというメッセージを伝えることが大切」と説明。横断幕の存在を運営担当者らが認識しながら、試合終了後まで撤去しなかったことも重視し、「違反行為に加担したと取られても仕方がない」と批判した。さらに今後も重大な問題が続く場合は「降格や除名も視野に入る」と警告した。
浦和の淵田敬三社長(59)は「サッカー、スポーツに関係する全ての方々にご迷惑をおかけして申し訳ない。スポーツクラブとしての存在意義を失う深刻な危機に直面していると捉えている」と、記者会見で謝罪。社長の役員報酬の自主返納(20%、3カ月)を表明した。浦和は横断幕を掲げたサポーターのグループを無期限で活動停止とし、クラブが出場するすべての試合への入場を禁じた。また、浦和サポーターに対しては、当面の間、ホーム、アウェーを問わず、横断幕や旗などの掲出を禁止することも決めた。
浦和の調査によると、問題の横断幕は浦和サポーターが集まるゴール裏の観客席へ入るゲート付近に通路側に向けて掲示された。試合開始から1時間たった午後5時ごろに報告があり、スタッフに「速やかに撤去」するよう指示したが、試合中だったため掲示した人物に接触できず、さらに1時間たった試合終了後に強制的に撤去した。掲示したのは男性3人で、「ゴール裏は聖域で海外からの観光客らに入ってほしくなかった」などと説明しているという。
Jリーグの過去の制裁で最も重い処分は、2008年5月の浦和-G大阪でサポーター同士のもみ合いを防げなかった浦和と、10年に観客の水増し発表が発覚した大宮への制裁金2000万円だった。浦和は10年にもサポーターの相手選手への差別的発言などで、譴責と500万円の制裁金を科されたことがある。
浦和は熱狂的なファンに支えられる半面、常にその「顔色」をうかがう体質が染みついている。横断幕についても、クラブにはサポーターの同意なく撤去できないという慣習まである。チームが不調に陥るとサポーターがスタジアムに居残り、社長が頭を下げるといった光景も繰り返された。サポーター歴10年以上という、さいたま市の男性会社員(24)は「レッズの応援は熱さが一番だが、方向を間違えてはいけない。これを教訓にして、平和になればいい」と話し、再発防止を願った。(SANKEI EXPRESS)