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経済
首都高50年 安全性確保で大規模改修
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首都高速道路の更新計画の対象箇所。※既に重大な損傷が発生している箇所(約33km)について記載。残りの箇所(約22km)については、構造上の課題がある箇所の中から、点検状況や現地条件などを踏まえ、具体の区間を絞り込む=2014年3月18日現在(首都高速道路株式会社提供) 首都・東京の主要な道路ネットワークである首都高は、開通して50年が経(た)つ。来年度には、中央環状線品川線が開通予定で、羽田空港から新宿まで約20分になるなど、さらなる利便性の向上が見込まれる。一方で、高齢化も進んでおり、将来的な安全性を確保するためにその対策も急務となっている。
首都高速道路は、1962年に1号線京橋~芝浦間の約4.5キロが開通。1964年に開催された東京五輪までに合計約33キロが開通し、その後、放射路線の整備、都市間高速道路との接続、中央環状線などのネットワーク整備を経て、現在、総延長は約300キロにのぼる。
1日の平均利用交通量は約100万台、大型車の交通量は都内一般道の約5倍と、まさに日本の首都を支える大動脈。その中で最大の問題は、老朽化対策だ。経過年数が40年を超える路線が約3割を占めることに加え、法令で定めた重量を超す違反車両も年間35万台にのぼり、道路の劣化を加速させている。
また、東京五輪に向け急ピッチに整備を進めるため、用地買収を少なくする工夫として公共用地である河川や道路などの上に建設された。そのため、他の道路に比べ高架橋やトンネルの割合が多いのも特徴。その分、維持管理に手間がかかり費用がかさむ。
これらの課題を解決すべく、首都高では2012年3月に有識者委員会を立ち上げ、今後の首都高のあり方を検討。有識者からの提言を受けた後、2013年12月に大規模更新計画を発表した。
大規模な造り替えを行うのは、1号羽田線の東品川-鮫洲と大師橋、3号渋谷線の池尻-三軒茶屋、都心環状線の竹橋-江戸川橋、銀座-新富町の5区間約8キロ。
東品川-鮫洲の一部区間では、桁下と海水面が近接しており、鉄筋の腐食が目立ち維持管理が困難となっているため、海水面と橋桁が接しない高架橋へと造り替えを行う。工事中は迂回路(うかいろ)を造るなどして、通行に極力支障が出ない形での造り替えを実施する。
これに加え、3号渋谷線の南青山付近や4号新宿線の幡ケ谷付近などの修繕も予定。全ての改修費用は6300億円を見込む。一連の事業に必要な財源は、2050年までとしていた有料期間を2065年まで延長することで確保する。
現在は首都高をはじめとした高速道路は「道路整備特別措置法」により料金収入で2050年までに建設の借金を完済し、無料開放する枠組みとなっている。料金収入は、維持管理費と借金の返済に充てることになっており、更新事業の財源が必要となった。国交省は1月、有料期間の延長をするために、改正法案を提出。本事業には、料金の値上げや税金の投入はしない予定。
大規模な造り替え事業について首都高速道路・高橋三雅建設事業部構造設計室長は「大規模更新は、長期間にわたって安全性を確保するために必要な事業」と理解を求める。
老朽化する道路の安全性を確保し、寿命を延ばすために、綿密な点検・補修スキームを構築している。日常点検では、パトロールカーによる車上からの目視点検はじめ、高架下からの目視点検も行う。定期点検では、工事用仮設吊足場内や機械足場を用いた接近点検を行い、より細かな点検を推進。また、人が接近しにくい個所や構造物の内部の損傷を発見するために、超音波や赤外線などを活用した点検装置、点検ロボなども導入している。
これらの点検や補修の履歴は、「MEMTIS」と呼ばれるデータベースで管理して、効率的な補修を行うことで、首都高の安全性を維持している。
道路の老朽化が進む中、グループ会社の首都高技術では、点検技術の高度化を目的とした「構造物点検技術訓練室」を設置。訓練室では、点検実技訓練によって点検の能力を向上させるとともに、構造物のどこに損傷が起こりやすいかという知識を習得し、さらに効率的、効果的な点検を目指す。
このように、日夜さまざまな方法できめ細かな点検を実施の上、補修に取り組んでいるが、道路の高齢化や過酷な使用状況により、補修が必要な損傷が増加していることも事実。要補修損傷件数は、2002年期末の3万5700件から、2012年期末では約3倍の10万6100件と増加の一途をたどる。
高橋室長は「道路は24時間、常に対応が必要。疲労亀裂などの件数は毎年上昇し、今は補修が間に合っていない状況。今回の大規模更新でこの状況を改善できれば」と語る。1964年の東京五輪開催に向けて整備が進められた首都高。それから50年以上の時を経て行われる2020年の東京五輪に向け、首都・東京の大動脈の造り替え事業が進む。(SANKEI EXPRESS)