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社会
【Q&A】高速料金改定 割引大幅縮小で利用者負担増
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2014年4月からの高速道路料金の概要=2014年1月5日現在 東日本、中日本、西日本、本州四国連絡の4高速道路会社の料金が4月から変わります。
Q どう変わるのですか
A 建設費に応じて区間ごとに異なる基本料金を3区分に再編します。大半の路線が含まれる「普通区間」(1キロ当たり普通車の場合、24.6円)、東京と大阪周辺の「大都市近郊区間」(29.52円)、海に架かる橋などの「特別区間」(108.1円)です。建設費がかさんだために割高だった本四高速などが大きく下がります。多くの区間は据え置きで、上がるところはありません。
一方で、平日3割引きを廃止するなど割引制度は大幅に縮小します。基本料金が下がるのは限られた区間なので、全体としては値上げとなり利用者の負担が増えます。いずれも自動料金収受システム(ETC)付きの車両が対象で、現金払いは現行のままです。
Q なぜ変えるのですか
A 高速道路料金は、割引制度が景気対策で拡充されるなどしたため複雑でした。割引に充てていた財源の一部が今年3月でなくなるのを機に、利用者に分かりやすい仕組みにするのが狙いです。
Q 基本料金が下がるのはどこですか
A 404.35円で最も高い本四高速の明石海峡大橋や、179.28円の東京湾アクアラインは108.1円になります。64.0円の関門橋や39.36円の関越道関越トンネルは24.6円に下がります。
Q 割引はどうなりますか
A 大都市近郊区間を除く地方部で実施している平日の昼間と夜間・早朝の3割引きはなくなり、深夜の5割引きは3割にします。
Q 4月からは消費税も上がるので大変です
A 値上げは観光産業や物流コストにも影響します。そこで政府は2013年度補正予算案でお金を確保し、激変緩和策を実施します。地方部での普通車の土日祝日5割引きは、3割引きにする予定でしたが、6月末まで半額のままにし、アクアラインの普通車800円も続けます。トラックなどの大口利用者の割引は、最大割引率を3割から5割に引き上げます。
Q 本四高速はどうなりますか
A 本四は、実施していた割引制度が今年3月で終わってしまいます。基本料金が下がっても割引がなくなっては、時間帯によってはこれまでよりも高くなってしまいます。このため、平日の通勤時間帯と土日祝日に新たな割引制度を導入して、利用者負担が現状とほぼ同じになるようにします。
Q 首都高速と阪神高速は変えないのですか
A 首都高速は15年度まで、阪神高速は16年度まで、今の料金のままです。年明けから料金変更の検討を始め、15年夏ごろに案をまとめます。
≪有料期間 15年延長の方針≫
国土交通省は高速道路の有料期間を15年間延長し、2065年までとする方針だ。老朽化に伴う大規模改修の費用を料金収入で確保するのが目的で、14年の通常国会に提出する道路整備特別措置法など関連法の改正案に盛り込む。
国交省は昨年6月、高速料金の在り方を検討していた有識者部会の答申を受け、50年までとしていた有料期間を延長する方針を決定。期間に関してはこれまで、10~15年間と幅を持たせていた。
施設の老朽化が最も進んでいる首都高速道路会社が昨年(2013年)12月25日発表した大規模改修計画で、約6300億円の費用を捻出するために15年間の有料期間延長が必要だと指摘。これを受け、年明けに東日本、中日本、西日本の3社がまとめる老朽化対策計画も踏まえ最終的に判断する。
また、高速道路各社に工事の効率化で費用を圧縮するよう求め、延長期間を短縮することを視野に入れる。
05年の道路公団民営化時にまとめた国の現行計画では、高速道路各社は道路建設の借金40兆円を通行料収入で45年間かけて全額返済し、それ以降は無料開放することになっている。ただ、当時は大規模改修の必要性が十分に認識されておらず、そのための財源は考慮されていなかった。(SANKEI EXPRESS)