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【女子ゴルフ】森田 今季初V 威風堂々の女王 連続戴冠へ弾み
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優雅で威風堂々の女王、森田理香子のプレーに酔いしれた=2014年3月23日、佐賀県武雄市・若木ゴルフ倶楽部(中川春佳撮影) 春到来を思わせた。
女子ゴルフの今季第3戦、Tポイント・レディースゴルフ(佐賀県・若木GC)で優勝した24歳の昨季賞金女王、森田理香子の薄ピンクの衣装である。グリーン上でラインを読む静寂の時間に、コースの木々に休むウグイスの鳴き声が高く響いた。
森田のシャツの色に連想される桜花に、大輪はあり得ない。といって若く美しい女王に大木は失礼だろう。164センチは、日本選手としては大柄。手足も長い。
ゆったりと、よどみのないスイングながら、飛距離もトップクラス。2日目に同組でプレーした福嶋浩子は森田のプレーを「優雅で余裕のあるゴルフ」と評した。優雅と余裕の威風堂々に加えて、明るく伸びやかで、悲壮感がない。
1打差の首位でスタートした3月23日の最終日、硬さを増したグリーンで3バーディー、2ボギーの71で回り、74とスコアを崩した2位の原江里菜(26)との差を4打に広げる独走だった。最終18番、今季初勝利へ寄せればいいだけのバーディーパットも強めに打ってカップに弾かれた。この1打こそ、彼女の本領でもあった。
今季開幕戦のダイキンオーキッドでは、O・サタヤ(タイ)が首位でホールアウトし、2打差で迎えた最終18番ロングの2打目、森田は残り246ヤードの2打目でバッグからドライバーを抜いた。
通常、ドライバーはティーアップなしに使用することはない。地面にあるボールを直(じか)にドライバーで打つことを、「直ドラ」と呼ぶ。男子ではまれに目にすることもあるが、女子で試みる選手はまずいない。
森田の直ドラは逆風に押し返され、わずかにグリーン手前に落ちたが、大きな拍手を浴びた。その勝負根性とともに、ギャラリーを喜ばせたのは、ある種のちゃめっ気でもあったのだろう。
昨季は最終戦最終ホールまで横峯さくらと賞金女王を激しく争った。そこを勝ち抜いた経験と自信が、今季を支える。愛される女王は3戦目の今季初勝利で、2年連続の戴冠に弾みをつけた。日本選手の連続女王は、2000年から6連覇の不動裕理以降、生まれていない。森田は師匠の岡本綾子に「人ができることは自分もできる」と、ハッパをかけられているのだという。
《映えるピンク 一足早い「桜満開」》
気象庁の桜開花予想によると、佐賀県の開花は3月19日、満開は28日となっている。一足早く若木GCに春の訪れを感じさせたのは、一人森田の活躍だけではない。
桜をトレードマークにしているのは、実力者の横峯さくらだ。同年の宮里藍とともに、女子プロゴルフ界にさっそうとデビューした横峯も28歳。デビューが若かった分、すでに中堅というよりベテランの貫禄さえある。
Tポイントレディスの最終日も、もちろんピンク。7位で迎え、71で回って5位フィニッシュ。体調万全とはいえなかったが、さすがにまとめるところではまとめ、「もっといけたかな、と思うけど、精いっぱいやった結果です」。
米クラフト・ナビスコ選手権出場のため、次週以降、4月上旬まで、国内ツアーを休んでメジャーのタイトルに挑む。
ベストアマに輝いた高校1年の16歳、永井花奈もピンクのウエアがグリーンに映えた。ピンポジションが難しい最終日にノーボギーで回り、「プロのトーナメントでノーボギーは初めて」と、初々しく喜んだ。
優勝の森田と記念写真に納まり「プロを目指します」と、新たなヒロイン候補は、ここにもいる。
横峯や宮里の後を追うように、森田やTポイント2位の原、そして米ツアーで活躍する宮里美香(24)らが続々とデビューした。さらにジュニアから、永井ら次世代の選手が将来をにらんでいる。
これは、樋口久子前会長、小林浩美現会長を通じてジュニア育成に取り組んできた日本女子プロゴルフ協会の成果といってもいいだろう。
賞金女王争いでも、2010年から3年連続で韓国勢(アン・ソンジュ2年連続、全美貞)に戴冠を譲ったが、昨季は新世代の森田が女王の座を取り戻した。
今季も、トップを走るタイのサタヤを森田や同門の一ノ瀬優希(25)、原、福田真朱(21)ら20代の選手が追っている。桜の季節だけではなく、シーズンを通じての百花繚乱(りょうらん)をみたい。(EX編集部/撮影:中川春佳/SANKEI EXPRESS)