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アフガンで大統領選 投票所狙い爆弾攻撃、1人死亡

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アフガンで大統領選 投票所狙い爆弾攻撃、1人死亡

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アフガニスタン情勢の主な動き=2001年9月11日~2014年4月5日  アフガニスタンで4月5日、2001年のタリバン政権崩壊後、3度目となる大統領選が行われた。12年以上にわたってアフガニスタンを率いたカルザイ大統領に代わる新たな指導者が選出される。選挙管理委員会によると、北西部バドギス州で投票所を狙ったロケット弾攻撃があり、1人が死亡した。

 駐留する国際治安支援部隊(ISAF)の戦闘任務終了を今年末に控え、国家自立に向けた重要な節目となる選挙。反政府武装勢力タリバンは妨害を宣言しており、治安当局は40万人規模の兵士や警官を動員して厳戒態勢を敷いた。

 大統領選は8人による争いで、暫定結果は今月(3月)24日、最終結果は5月14日に発表される。過半数を得票する候補者がいなければ、上位2人による決選投票となる。憲法は3選を認めておらず、現職のカルザイ氏は2期目の今期が最後となる。

 選管や内務省によると、北部クンドゥズ州の投票所でもロケット弾攻撃で4人が負傷したほか、中部ロガール州では投票所で爆発があり4人が負傷した。

 主な候補者はアシュラフ・ガニ元財務相、アブドラ・アブドラ元外相、ザルマイ・ラスール前外相ら。民間調査会社の世論調査によると、ガニ氏とアブドラ氏が先行。決選投票までもつれる可能性が高いとみられる。

 

 ≪タリバン妨害 和平交渉は前途多難≫

 アフガニスタンの大統領選で、国民はテロなど混乱が続く国の再建に一票を託した。駐留国際部隊の戦闘任務終了を年末に控えるが、反政府武装勢力タリバンとの和平交渉に進展は見えず、新政権の前途は多難だ。選挙戦は合従連衡が進み、候補者らの思惑が交錯した。

 権力継承へ布石

 「今日、ザルマイ・ラスール前外相に合流することを正式に表明する」

 選挙戦が中盤にさしかかった3月6日、カルザイ大統領の兄、カユーム・カルザイ元下院議員はラスール氏とともにカブールで記者会見し、選挙戦からの撤退を宣言した。

 撤退にはカルザイ氏の強い意向が働いたとの分析が有力だ。カルザイ氏とカユーム氏、ラスール氏は、多数派民族パシュトゥン人の二大部族のうち、南部を地盤とするドゥラニ部族の出身。カルザイ氏の権力を継承するため、同じ部族出身者の間で票が分散するのを避ける狙いがあったとみられている。

 ラスール氏はカルザイ氏の意中の候補と目されており、大統領になれば、カルザイ氏は「舞台裏から影響力を行使できる」(英紙)との見方もある。選挙戦の行方を左右するパシュトゥン票の行方をめぐり、終盤まで激しい駆け引きが続いた。

 対話か強硬策か

 今もテロが続くアフガンにとって、治安改善は喫緊の課題だ。対タリバン政策が鍵を握る。アフガン政府の和平交渉窓口となる「高等和平評議会」は2月、アラブ首長国連邦のドバイで、タリバン関係者と接触したと公表した。

 報道によると、相手はかつてタリバン政権で財務相を務めたアガ・ジャン・ムタシム氏のグループで、評議会の発表では、対話継続で双方が一致したとしている。ただ、ムタシム氏がタリバンを代表できる立場なのかは懐疑的な見方が強い。タリバンはつながりを否定しており、タリバンとして政府側と接触したこともないとの立場を変えていない。

 タリバンは現政権を「米国の手先」と見なしてきた。大統領選でも「新大統領は米国によって既に決められている」と非難を強めている。対話か、強硬策か-。いずれの候補が大統領に選ばれても、和平実現には難しいかじ取りを強いられる。

 治安維持に不安

 タリバンは3月10日、報道各社に声明を送って大統領選の妨害を宣言し、テロ攻撃を予告した。これと前後して治安は悪化。(3月)20日に東部ジャララバードの警察署が襲撃され11人が死亡したほか、カブールの高級ホテルではフランス通信(AFP)記者や子供ら9人が殺害された。選挙管理委員会への攻撃も繰り返している。

 2001年の政権崩壊後に弱体化したタリバンだが、徐々に力を盛り返している。元情報機関職員のジャウェド・コヒスタニ氏は「(タリバン復権は)一貫した強硬姿勢を示せていない政府にも責任がある」と指摘。テロ容疑者と米側がみる収容者を釈放するなど懐柔策を続けたカルザイ氏の姿勢を批判している。

 今後の治安維持を担うアフガン国軍トップのカリミ参謀長は「国軍は急速に成長しており、私は楽観的だ」と自信を見せるが、米軍など国際部隊の撤退を不安視する声は根強い。主要候補は駐留継続が不可欠との認識で一致している。(共同/SANKEI EXPRESS

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