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「ハワイに行ってみたい」と思ってもらえるはず 榮倉奈々、高梨臨 映画「わたしのハワイの歩きかた」

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「ハワイに行ってみたい」と思ってもらえるはず 榮倉奈々、高梨臨 映画「わたしのハワイの歩きかた」

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超売れっ子の榮倉奈々(えいくら・なな)さん(左)と高梨臨(たかなし・りん)さんだが、仕事に対してはストイックなまでに「一歩一歩着実に」を心がけている=2014年4月13日、東京都中央区(鴨川一也撮影)  恋も仕事もうまくいかず、つまらない日常から脱出しようと、ハワイへ“高飛び”してみたら…。前田弘二監督が新作「わたしのハワイの歩きかた」で、ガイドブック作りを任された女性編集者の生き方探しの旅をオールハワイロケで描いた。

 臨場感たっぷり

 主演の榮倉奈々(えいくら・なな、26)は「劇場の大きなスクリーンで作品を見ると、ハワイの景色が臨場感たっぷりに伝わってきて、勢いと爽快感が感じられます。登場人物も、気持ちいいくらい大胆に自分の気持ちをぶつけ合います。ハワイに行ったことがある人もない人にも、きっと『ハワイに行ってみたい』と思ってもらえるはずです」と声を弾ませた。

 出版社に勤める26歳の編集者、小山田みのり(榮倉)は、仕事や人間関係に疲れ果て、イライラをつのらせる日々を送っていた。ある日、ハワイで挙式予定の友人(中村ゆり)から2次会の企画を頼まれた。これまでハワイに関する書籍を何冊も出したことがあるのに、現地に出張したことがないみのりは、上司(鶴見辰吾)に新しい企画を持ちかけ、会社の経費でハワイへ。そこで、婚活にいそしむ吉村茜(高梨臨(たかなし・りん))、商売を成功させたい鎌田勉(瀬戸康史)、大企業の御曹司・阿部知哉(加瀬亮)と知り合い、放蕩三昧(ほうとうざんまい)の日々を送っていたが…。

 脚本を読んだとき、榮倉は「得体の知れない不安とか、置いてけぼり感、微妙な焦りといった、みのりの年代の女性ならば遅かれ早かれ抱く気持ちがうまく描かれているなあ」と感じたそうだ。加えて、みのりが、恋愛観や仕事観をめぐって茜とぶつかり合う姿を、明るくコミカルなものとして見てもらえたらいい映画になるだろうとも思えたという。

 似ているようで違う

 一方、茜役の高梨臨(25)は「作品全体を見たときに、登場人物のみんなが不器用で、どこかダメなところが明確に見えてきます。そんな彼らが影響し合って、少しずつ前に進んでいくところが作品のいいところかな」と説明した。

 みのりは、職場の後輩や、深酒して介抱をしてくれた阿部と簡単に関係を持ってしまう、セックスに対してきわめて自由奔放な女の子だ。焦って恋人を探し、結婚したいという気持ちはこれっぽっちもない。ハワイでの仕事の進捗状況を会社に報告しないなど、社会人として疑問符がつく人物だが、榮倉は「不器用だけどすべてに一生懸命なみのりの気持ちは理解はできます。では私と似ているかといえば、まったく違います。でも、みのりの中に私がいないかといったら、そうでもないし…」と語り、役への愛情を感じさせた。

 2人ともマイペース

 榮倉と高梨の掛け合いは、初共演とは思えないほど息がぴったりだ。「2人の会話のテンポを大事にしたい」という監督の意図があるにしても、どんな“化学反応”があったのだろう。榮倉の分析が面白い。「高梨さんと私は、みのりと茜ほど考え方も、好みも、こだわりもまるで違うのは事実。でも、2人ともマイペースなんです。だからこそ私たちはなじめたのかな。ある意味、こだわりが、ぶつからないわけですから。リハーサルでは肝の据わった方だと思いました。だから私も気負いがなくなり、楽にもなれたんですよ」

 高梨は「榮倉さんは小さいころから、待てよ…、いや、中学か高校時代から、知っていたあこがれの人物です。最初に会ったとき、私は緊張していたんですよ。でもハワイで食事に誘っていただき、それがすごくうれしくて、打ち解けるきっかけになったと思います。私から話しかけづらいところがあったので」。榮倉は「みんなで何カ月もハワイで過ごすわけですから、あまり得意ではないんですが、みんなが参加するご飯の会を作らなければいけないのかなと考えていたんです」と言葉を継いだ。

 さて、榮倉自身の自分探しはどんな状況なのだろう。「映画が大好きですが、仕事というものは、やりたいことばかりできるものでもないので、運やタイミングを大切にしながら、一つ一つ与えられたものをやっていきたい。その中で、新たな仕事の楽しみ方を発見し、広げていきたいな」。6月14日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:鴨川一也/SANKEI EXPRESS

 ■えいくら・なな 1988年2月12日、鹿児島県生まれ。2002年にモデル活動を始め、04年のテレビドラマ「ジイジ~孫といた夏~」で女優デビュー。08年のNHK連続テレビ小説「瞳」のヒロイン役に抜擢。主な映画出演作は、09年「余命1ヶ月の花嫁」、11年「アントキノイノチ」、12年「のぼうの城」、13年「図書館戦争」など。

 ■たかなし・りん 1988年12月17日、千葉県生まれ。2012年、イランの名匠、アッバス・キアロスタミ監督の「ライク・サムワン・イン・ラブ」(カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品)に主演。主な映画出演作に、08年「GOTH」、12年「今日、恋をはじめます」、13年「すべては君に逢えたから」、14年「KILLERS キラーズ」「醒めながら見る夢」など。NHK連続テレビ小説「花子とアン」に出演中。

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