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世界最大級ゲーム見本市「E3」 未来の主流は「仮想現実」

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世界最大級ゲーム見本市「E3」 未来の主流は「仮想現実」

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米カリフォルニア州ロサンゼルス  米ロサンゼルスで6月10~12日まで開催された世界最大級のゲーム見本市「E3」。今回は全世界から約2000の展示ブースが登場し、期間中、約5万人ものゲームファンが訪れたが、そこで注目されたのはバーチャルリアリティー(仮想現実)の技術を駆使したゲームの数々だった。

 なかでも最も高い人気を集めたのが、今年3月に交流サイト大手、フェイスブックの傘下入りが発表された米ベンチャー企業、オキュラスVRが展示したゴーグル型モニター端末の試作品「オキュラス・リフト」。広い視野を持つことから、頭に装着すれば、まるで自分がゲームの世界に迷い込んだようなリアルな仮想現実が体験できるとあって、展示ブースには常に大行列ができた。

 一方、そんなオキュラスをライバル視するソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)も、人気の家庭用ゲーム機「プレイステーション4」と接続して楽しむ仮想現実対応のゴーグル型モニター端末を出展し、大きな注目を集めた。未来のゲームの主流が仮想現実になるのは間違いなさそうだ。

 ≪「間違いなくクール」 技術競争激化≫

 オキュラスVRは、会社設立直前の2012年6月のE3で、「オキュラス・リフト」のプロトタイプを初めてお披露目した。英BBC放送(電子版)などによると、それから約2カ月後の12年8月1日、インターネット上で一般ユーザーから広く資金を集める「クラウドファンディング」の手法で、会社の運営費と製品開発費を募集したところ、わずか4時間で目標額の25万ドル(約2500万円)の調達に成功。最終的には約243万ドル(約2億4500万円)を集め、ゲーム業界を驚かせた。

 「オキュラス・リフト」の将来性の高さは折り紙付きだ。市販はまだだが、ソフトウエアの開発者向けには350ドル(約3万5000円)で販売しており、すでに約7万5000台が売れたという。

 将来性に注目した米フェイスブックは今年3月、オキュラスVRを20億ドル(約2036億円)で買収すると発表した。仮想現実の技術を体現できるオキュラス・リフトのような製品やその技術は今後、ゲームだけでなくSNS(交流サイト)の世界でも存在感を発揮すると踏んだからだ。フェイスブック最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏(30)は買収時の発表文で、「オキュラスは史上最もソーシャルな基盤を創造し、われわれの仕事や遊び、交流方法を変える見込みがある」と絶賛した。

 5万人が訪れたゲーム見本市「E3」の会場でも、多くのゲームファンでごったがえしたオキュラスの展示ブース。セガのホラーゲームをオキュラス・リフトで体感した米カリフォルニア州のゲーマー兼プログラマー、マイケル・デ・ラ・ぺーニャ氏はロイター通信に「これは間違いなくクールな技術だ。最初は方向感覚を失いそうになったよ」と驚きを吐露した。一方、オキュラスのブランドン・イリーベCEOは「これはまだほんの始まりに過ぎない。われわれは多くの失敗からさまざまなことを学んでいる最中だ」と謙虚に語った。

 これに真っ向から挑むのが、「プレイステーション4」と接続して仮想現実を楽しむソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のゴーグル型モニター端末「プロジェクト・モーフィアス」だ。SCEのアンドリュー・ハウスCEOはロイター通信に「開発者のサポートがこれほど盛り上がる例はほとんどない」と喜び、こう付け加えた。「機は熟した」。(EX編集部/撮影:ロイター/SANKEI EXPRESS

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