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【ブラジルW杯】日本、1次リーグ敗退 岡崎 意地のダイビングヘッド

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【ブラジルW杯】日本、1次リーグ敗退 岡崎 意地のダイビングヘッド

更新

【C組】前半終了間際、岡崎慎司(左、マインツ)は、体をひねりながらヘディングで同点ゴールを決めた=2014年6月24日、ブラジル・マットグロッソ州クイアバ(共同)  サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会の1次リーグC組最終戦。日本はコロンビアに先制され、0-1で迎えた前半終了間際。岡崎慎司(28)は、DFを背負いながら本田圭佑(けいすけ、28)の右クロスに合わせて跳んだ。空中で身をひねり、頭でゴール右隅へ。自身の原点といえるヘディングで意地を示したが、後半途中に退いた後は失点を重ねる仲間をぼうぜんと見守るしかなかった。「自分の好きなところに球がくれば仕事ができた。でもW杯はそれだけじゃない。本当に力不足」と目を伏せた。

 ▽1次リーグC組

日本 1(前半1-1、後半0-3)4 コロンビア

 3試合とも守備に忙殺された。ギリシャ戦まではシュートなし。エースの期待を寄せられながらの不振だった。初ゴールにも「国と国との真剣勝負で勝つには総合力が問われる。自分は何もできなかった」と悔しさだけが残った。

 無心で2つのモットーを表現しようとした。一つはゴールで示した「一生ダイビングヘッド」。もう一つは「何事でも全力」だ。昨年(2013年)11月、兵庫・滝川二高時代からの友人宛てに携帯メールで心境をつづった。

 「みんなきれいなサッカーにこだわるけど、俺は自分の良さで勝負したい。人が80%でやることも100%でやる。だから滑って転ぶこともある。転んだら立てばいいんや」。その泥臭さは今の代表チームの中で独特の存在感があった。

 後半16分の競り合いで相手の腕が顔に当たって鼻血を出し、24分に交代。それも貪欲にボールを追い、死力を尽くした結果だ。「完敗で打ちひしがれた。W杯で勝つのに、どうしていけばいいか分からない」と悲嘆したが、奮闘は一瞬の輝きを放った。(共同/撮影:共同、ロイター/SANKEI EXPRESS

 ≪ピッチに崩れ落ちたサムライブルー≫

 攻め続けた後半。今大会3試合目で初めてフル出場した主将の長谷部誠(30)は、大きな声で仲間を鼓舞し続けた。だが、ゴールは遠く、相次いで失点。試合終了のホイッスルが無情に鳴り響いた。試合後、長谷部は目を潤ませながら、「自分たちの力不足。それ以上もそれ以下でもない」と振り返り、「結果が全ての世界。結果が出ず、主将として責任を感じている」と、声を絞り出した。

 長友佑都(ゆうと、27)は膝を抱えてピッチに座り込んだ。イタリアのインテルでともにプレーをするグアリンらコロンビアの選手に励まされ、立ち上がったが、試合後は、報道陣の呼び掛けにも応じず、堅い表情のまま無言で取材エリアを足早に通り過ぎた。

 無理な体勢からオーバーヘッドシュートを繰り出すなど、貪欲にゴールを狙い続けた大久保嘉人(よしと、32)も、ピッチに崩れるように座り込んだ。「戦う姿勢を見せないと駄目だと思っていたし、勝たないといけないと分かっていた。今はぼうっとしている」と、気持ちを整理できないでいた。

 内田篤人(26)は、この日も右サイドを攻め上がり、ゴール前に質のいいクロスを入れ続けた。だが、ゴールにつながらず、「大きな大会で点を取れる選手が各チーム1人、2人いる」と嘆いた。3試合通じて奮闘した右サイドバックは「自分たちの望む結果が得られなかった。これが勝負の世界」と、寂しそうだった。

 エース番号を背負い、W杯の初舞台を踏んだ香川真司(25)は、1次リーグ3試合で無得点に終わった。初戦と2試合目はほとんどシュートを放つことすらできなかったが、この日は、何度も見せ場を作った。だが、前半26分に放ったシュートはGKにはじかれるなど、他国のエースに比べ非力さが浮き彫りになり、「点を取りにいった中で点を取りきれず、責任を感じている。自分の実力不足を感じる」と、うつむいた。(EX編集部/撮影:AP、ロイター、共同/SANKEI EXPRESS

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