ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
スポーツ
【ブラジルW杯】「サッカー不毛の地」は完全に死語 NBA超える人気ぶり
更新
【ブラジルW杯】1次リーグ勝敗表(G組、H組)=2014年6月28日現在、※日時は日本時間。ドイツ、米国、ベルギー、アルジェリアは決勝トーナメント進出。ポルトガル、ガーナ、ロシア、韓国は1次リーグ敗退決定 国際サッカー連盟(FIFA)は6月28日、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で(6月)22日(日本時間23日)に行われた米国-ポルトガル戦の全米テレビ視聴者数が、米国のサッカー番組史上最多となる2470万人を記録したと発表した。
1試合の視聴者数としては、米プロバスケットボールのNBA決勝の過去最高(2390万人)を超え、昨年(2013年)の米大リーグ(MLB)・ワールドシリーズの平均を上回る数字だ。
米国では伝統的にアメリカンフットボール、野球、バスケットボール、アイスホッケーの4大プロスポーツが人気を博し、「サッカー不毛の地」などと揶揄(やゆ)されてきたが、これは完全に死語となったようだ。
ブラジルと米国はほとんど時差がないことも手伝い、米国での今大会の視聴者数は「過去最高の驚くべき数字」(FIFAのテレビ部門統括責任者、ニコラス・エリクソン氏)だという。
特に米国-ポルトガル戦(2-2の引き分け)は米東部時間で日曜の夕方6時キックオフという好条件だったため、生中継した2局のうちESPN(スポーツ専門のケーブルテレビ)の視聴者が1820万人、ユニビジョン(スペイン語放送のテレビ局)の視聴者が650万人に上った。
合わせて2470万人という視聴者数は、サッカーでは米史上過去最高だった、1999年に米国で開催された女子ワールドカップ決勝(米国-中国戦)の1790万人を大きく上回った。また、今年のNBAファイナルの平均視聴者数1550万人、昨年(2013年)のMLBワールドシリーズの平均視聴者数1490万人、今年の北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)ファイナル(スタンレーカップ)の平均視聴者数500万人も凌駕(りょうが)しており、エリクソン氏は「米国ではサッカーはニッチ(すき間)スポーツなどとは、もはや言わせない。米国での圧倒的な関心の高まりは、W杯とサッカーにとって分岐点になる」と鼻息が荒い。
米国では長らく、サッカーは「女子のスポーツ」といった偏見が強く、実際、女子リーグの人気は高い。ミア・ハム(42)やアビー・ワンバック(34)といった女子の名選手の名前は知っていても、男子選手の名前は誰も知らないというのが実情だった。
1970年代後半から、ペレ、ベッケンバウアー、クライフといったW杯史上のレジェンドたちが「米国にサッカー文化を根づかせよう」と代表引退後に参入した北米サッカーリーグ(NASL)も84年にあえなく消滅した。
しかし、94年に自国でW杯を開催して以降は、メキシコなどからのヒスパニック系移民を中心に少しずつサッカー人気が高まり、96年にはメジャーリーグサッカー(MLS)としてプロリーグが復活。2007年にはデビッド・ベッカム(39)がレアル・マドリードからMLSのロサンゼルス・ギャラクシーへ移籍して注目された。さらに昨年(2013年)からは、3大ネットワークの一角、NBCが英プレミアリーグの中継を開始。人気上昇を後押しした。
今後、さらに人気が伸張するかは、W杯ブラジル大会での代表の活躍にもかかっている。現在の代表は、ドイツ人監督のユルゲン・クリンスマン氏(49)=元ドイツ代表FW、元ドイツ代表監督=が、世界中から二重国籍の有望株を発掘して築き上げた「連合軍」で、かなり強力だ。
7月1日の決勝トーナメントの1回戦ではベルギーと対戦するが、監督は「選手がこの試合に懸ける意気込みは強い。米国のサッカー史上でも特別な試合になるだろう」と話す。人気に後押しされ、米国がW杯王者となり、世界を驚かす日はそう遠くないかもしれない。(SANKEI EXPRESS)