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曲作りはピースフルになるための修錬 SOHN

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曲作りはピースフルになるための修錬 SOHN

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ライブではSOHNのほかに、2人のミュージシャンがサポートする=2014年6月21日、東京都江東区・新木場STUDIO_COAST(古渓一道さん撮影、提供写真)  ポスト・ジェイムス・ブレイクと言われるものの、ライブでは何よりもシンガーとしての才能が顕著であり、そのポップなメロディーとビートには誰もが体を踊らせる。本名も年齢も明かさない話題のイギリス出身のアーティスト、SOHNに話を聞いた。

 「エレクトロニックな音楽に興味を持ったきっかけは、もともと僕はMUSEみたいなロックバンドで歌とギターを担当していて、そのバンドがひどい出来だったこと。なかでも問題は、レコーディングした時に、ドラムやギターの演奏がうまくいかないことだった。それである日コンピューターを使ってみたら、そっちの方がとても良く、メンバー不要になってしまったんだ」

 歌詞は響き重視

 サウンドが柔和になったため、シャウト&ラウドな歌い方はしなくなったが、ソングライティングのアプローチは変わらないという。

 「僕の場合は言いたいことがあって歌詞を書くのではなく、無意識に歌うところからメロディーができてきて、そこへ夢の中で書いている感覚というか、意味のなさない言葉を乗せて歌ってみる。その時に一つだけはっきりした言葉が浮かんでくることがあって、その言葉だけ残してセンテンスをつなげていく。そうやって6、7行になっていく中で、全体にこういうことを言いたい歌なんだな、と見えてくる。僕はいつも歌詞は響きから入るし、言葉を連ねて一つのメロディーになると良いと思っている。テーマや言いたいことは後付けになることが多いんだ」

 何より声が美しい。「出したい音が見つからなかったから、自分の声を重ねてエフェクティブに使った」と話していて、人間味あふれる声を“ボーカル・チョップ”として編集し、パーカッションのようにも使っている。

 誰も自分のことを知らない環境で音楽制作に没頭したかったからと、ウィーンへ移住して活動中だ。

 「この地で情報量を思い切りそぎ落としたかった。というのも、僕はものすごくハイパーかつせっかちな性格で、そんな自分が嫌いで、もっと落ち着いた、自分がはっきりと見えている人になりたかった。一人で音楽の全てを創るという作業は、穏やかで強くて、より直接的でピースフルな人間になるための修錬だと思っているよ」(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS

 ■ソン 本名・年齢不詳。ロンドン出身。2012年、自分の声を重ねて楽器のように音を発し、それをバックに歌い始める「ザ・ホイール」で注目される。イギリスの名門レーベル4ADと契約し、14年に初のフルアルバム「トレマーズ」をリリースした。Banksの楽曲プロデュースや、ラナ・デル・レイ、ディスクロージャーなどのリミックスも手掛ける。

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