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拘束キャスター 権力闘争に勝てず 中国 大物突撃インタビューで人気

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拘束キャスター 権力闘争に勝てず 中国 大物突撃インタビューで人気

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中国・首都北京市  今月(7月)11日に中国当局に拘束された中国中央テレビ(CCTV)経済専門チャンネル部門のキャスター、●(くさかんむりに内)成鋼(ぜい・せいこう)氏(37)。その素顔が欧米メディアなどで大きく報じられている。ぜい氏は2007年、世界遺産、故宮(紫禁城)内で営業していた米コーヒーチェーン大手スターバックスの店舗を、ブログ上で「中国の伝統文化を台無しにしている」と批判。店舗を閉店に追い込むなど物議を醸す言動で有名だった。拘束の裏には、中国最高指導部内の権力闘争も指摘されるだけに、注目を集めている。

 放映1時間前に連行

 英BBCテレビ(電子版)などによると、ぜい氏は今月(7月)11日、キャスターを務めていた経済ニュース番組の放映まで1時間を切った時点で連行された。このため、この日の番組はパートナーのキャスターが1人で出演する、寂しいものとなった。7月13日付の中国英字紙チャイナ・デーリーは、ぜい氏のほか、経済専門チャンネルの李勇・副総監が、収賄容疑に関する調査で検察当局に連行されたと伝えている。

 中国の最高人民検察院(最高検)は6月、中央テレビ経済専門チャンネルトップの、郭振璽(かく・しんじ)氏ら2人を収賄容疑で取り調べていると発表。ぜい氏らの連行は、郭氏の調査に関連しているとみられている。

 ブランド服にスポーツカー

 米CNNテレビ(電子版)によると、ぜい氏は世界の政財界の大物への突撃インタビューで人気があった。ぜい氏の名前を一躍有名にしたのが、10年11月に韓国ソウルで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会合後のバラク・オバマ米大統領(52)の記者会見だ。

 「最後の質問は韓国プレスに与えたい」。こう切り出したオバマ氏に対し、真っ先に手を挙げ、立ち上がったぜい氏は「韓国人ではないが、アジアを代表して質問したい」と発言。オバマ氏は「公平に見て、韓国プレスの質問の番でしょう」とたしなめたが、「じゃあ韓国の記者たちがいいと言えば質問してもいいですよね」と食い下がり、“韓国メディアの質問の機会を奪ったアナウンサー”として中国のネット上で話題になった。

 流暢(りゅうちょう)な英語を操り、ブランド物のスーツを着てスポーツカーを乗り回す姿は「新しい中国の顔」として若者たちの人気を集めていたという。

 元政治局常務委員の影

 ただ、ぜい氏が人気キャスターの地位を維持できたのは、番組を取り仕切る郭氏が“パトロン”として彼を支えていた点が大きかったとされる。その郭氏が先月、収賄容疑で拘束。ぜい氏は短文投稿サイト「ツイッター」で身の潔白を主張していたものの、郭氏の連行直後から捜査の手はぜい氏に及んでいると噂されていた。

 CNNによると、複数の中国ウオッチャーが、今回の事件と、中国最高指導部元メンバーで、汚職の疑いで調査を受けている周永康元政治局常務委員(71)との関連を注目しているという。ぜい氏の後ろ盾だった郭氏は、周氏の組織に属する人物とみられているためだ。

 中国の習近平国家主席(61)は就任以降、公務員の汚職を徹底的に取り締まっているが、その対象となっているのは習氏との権力闘争が伝えられる周氏に連なる人物たちだ。オバマ氏ら海外の権力者との“対決”で勇名をはせてきたぜい氏だが、自国の権力闘争をうまく御することはできなかったようだ。

 ≪周氏側近の訴追本格化 汚職調査進展か≫

 中国最高人民検察院(最高検)は7月14日、国有資産監督管理委員会の蒋潔敏元主任、公安省の李東生元次官、国有資源大手「中国石油天然ガス集団(CNPC)」の王永春元副社長の3人をいずれも収賄罪で立件したと発表し、起訴に向けた訴追手続きが本格化していることを明らかにした。

 3人とも汚職疑惑が指摘されている最高指導部元メンバーで石油閥の大物、周永康氏との関係が近いとされ、周氏への調査に進展があった可能性がある。

 香港紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストは14日、共産党が来月(8月)末にも第18期中央委員会第4回総会(4中総会)を開き、周氏の疑惑の調査結果を正式発表する可能性があると報じた。

 今回立件された3人の詳しい疑惑内容は不明だが、蒋元主任はかつてCNPCの会長を務めた石油閥。李氏は、司法部門を統括する党中央政法委員会書記だった周氏に引き立てられたとされる。

 周氏をめぐっては、かつて周氏の秘書だった海南省の冀文林副省長らも今月(7月)、解任が発表された。周氏がトップを務めた四川省でも幹部らの摘発が相次いでいるほか、中国メディアは、周氏の息子ら親族も拘束されたと伝えている。(共同/SANKEI EXPRESS

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