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【東京六大学野球】東大ガックリ ついに70連敗 「不名誉」タイ記録

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【東京六大学野球】東大ガックリ ついに70連敗 「不名誉」タイ記録

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九回、最終打者がアウトになり、ワーストタイの70連敗を喫してがっくりする東大の選手たち=2014年4月20日、東京都新宿区・神宮球場(中井誠撮影)  4月20日に神宮球場で行われた東京六大学野球春季リーグで、東大が慶大に2-13で敗れ、1987年秋季リーグ戦から90年秋季にかけて東大がつくったワースト記録に並ぶ70連敗となった。不名誉な記録阻止をかけた一戦で大敗し、東大の選手たちはうつむきながらベンチを引き揚げ、母校を率いて3季目の浜田一志(かずし)監督(49)は「不名誉な記録で注目されるのはスポーツマンとして悔しくて仕方がない」と肩を落とした。だが、OBやファンからは多くの激励の声が寄せられ、有井祐人(ありい・ゆうと)主将(21)=愛媛・新田青雲中教校出=は「70連敗は情けないの一言だが、切り替えて次の早大戦に臨みたい」と必勝を誓った。

 斎藤に勝って3年半

 東大はこの試合、三回まで慶大を無安打に抑えたが、四回に藤本知に先制2点本塁打を打たれた。その後も救援投手陣が慶大の勢いを止められず、東大は九回無死満塁から2点を返すのが精いっぱいだった。

 東大は2010年10月の秋季リーグで斎藤佑樹投手(25)=現日本ハム=が先発した早大に4-2で勝った後、2引き分けを挟んで3年半、白星から遠ざかっている。

 1925(大正14)年に東大が最後に加わって東京六大学野球連盟が創設されて以来、通算244勝1544敗55分けと大きく負け越し、東大は唯一優勝の経験がない。近年は攻撃力不足が特に深刻で、今季は開幕4試合目のこの日、初めて得点した。他大学のように野球推薦枠がない東大は、これまでも苦戦を強いられてきたが、近年、他5校は運動部の強化を一層図っており、力の差は広がる一方だ。

 「限界突破+5」

 連敗脱出の切り札として一昨年就任した浜田監督(高知・土佐高出)は現役時代、4番で主将(外野手)を務め、1試合2本を含む通算5本のホームランを打った東大野球部史上屈指のスラッガーだった。監督就任に当たって「限界突破+5」をスローガンに掲げてチームを引っ張ってきた。

 「限界突破+5」とは極限までの厳しい練習を重ね、各々の選手が守備範囲を5メートル広げるとか胸囲を5センチアップさせるなど「5」にちなむ目標を持たせ、さらに連敗阻止・最下位脱出に必要な年5勝を期すという趣旨だ。だが、まだ顕著な効果は現れず、浜田監督も「いいところがまだ何も出ていない。今は辛抱」と語る。

 OBエール「胸張って」

 そんなチームの現状にOBはエールを送る。前回の70連敗時にエースだったソフトバンクの小林至(いたる)球団統括本部副本部長(46)=元ロッテ=は「再来週(早大戦)は勝つでしょう。他の5大学は甲子園に出場した選手が昔よりも集まっているので、今の子たちは大変だ。胸を張って頑張ってほしい」と励まし、NHK「ニュースウオッチ9」のキャスターを務め、現役時代に8勝(27敗)を挙げた大越(おおこし)健介氏(52)は「先発投手は常に完封するつもりでマウンドに立ってほしい。序盤を抑え、相手の焦りを誘う展開になれば必ず勝機は生まれる」とアドバイスする。

 かつて、怪物・江川卓(58)=法大→巨人=に東京六大学リーグで最初に黒星をつけたのは東大だ。あの剛速球に食らいつき、顔面返しの打撃で怪物をKOした気迫を、再び見せてほしい。(SANKEI EXPRESS

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