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【MLB】直球でスイッチ 田中本領 メジャー白星デビュー「持ちこたえた」
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大リーグ屈指の強力打線を誇るブルージェイズを相手に力投し、デビュー戦を勝利で飾ったヤンキースの田中将大(まさひろ)=2014年4月4日、カナダ・トロントのロジャースセンター(川口良介撮影) 立ち上がりは不安定だったが、持ち前の高い修正力でメジャー初勝利にこぎ着けた。プロ野球楽天から米大リーグ、ヤンキースに加入した田中将大(まさひろ)投手(25)が4月4日(日本時間5日)、敵地カナダのトロントで行われたブルージェイズ戦に今季初登板し、7回を6安打3失点(自責点2)、無四球で8三振を奪い、勝ち投手となった。試合は7-3だった。日米球界の注目を一身に集める中、デビュー戦を飾った田中は日米通算100勝を達成。「うれしいのはもちろんだが、ほっとした。初戦でいい形を出すことができたのが一番」と、記念すべき勝利を振り返った。
ヤンキースは一回に2点を先制。田中の大リーグ公式戦の第1球は、1番カブレラに対して投じた外角低めへの149キロの直球だった。ズバリとストライクを取ったが、1ボール1ストライクからの3球目、スプリットが外角高めに抜けたところを右中間スタンドに運ばれ、いきなりソロ本塁打を浴びた。
ブルージェイズはメジャー屈指の強力打線を誇る。田中は二回にも1死から右前打、中前打と連打を浴び、この後、一塁手のテシェイラが併殺を焦り、二塁へ悪送球して満塁。9番ディアスに初球を2点適時左前打されて逆転された。
だが、ヤンキースは三回、イチローの二塁内野安打をきっかけに2点を挙げて4-3と逆転。田中も三回以降は立ち直って追加点を許さなかった。
立ち直るきっかけは、二回終了後、捕手のマキャンと話し合い、投球の組み立てをがらりと変えたことだった。初回、二回は得意のスプリットを軸にした変化球中心の組み立てをマキャンが要求していたが、いかにも窮屈で本来は直球が主体の田中らしさが出ていなかった。
田中はこの場面を「もっと真っすぐ系を投げさせて欲しいと(マキャンに)言った。今までの野球人生で積み重ねてきた経験があったから持ちこたえられた。あとは味方の援護もあったので、それに助けられた」と試合後に説明した。この提言をマキャンも受け入れ、直球が軸になると田中の“スイッチ”が入り投球も躍動。多少のコントロールミスが出ても、三回以降はブルージェイズ打線は田中を攻め立てることができなかった。
マキャンは「素晴らしい投手。これから5、6年は付き合っていく」と絶賛。ヤンキースの先輩投手、黒田博樹も「自分の中で修正して切り替えていくことは、この世界で生きていく上で一番大切。途中からはすごく落ち着いていた」と称えた。
また、この日5打数3安打と打棒で田中の初勝利を支えたイチローは「日本で成績を残した人であればあるほど最初は(周囲の反応などが)異常な状態になる。それでも7回を100球以内(97球)で終わらせるのはすごいことだ」と語った。ヤンキースの球団公式サイトは「簡単には屈しないタナカ」との見出しを付けた。
田中は初登板の心境を「緊張感があり、マウンドに上がってからは試合に入り切れていない感じがあったが、四回くらいから集中力を高められた」と総括。その上で「1試合だけでは駄目。シーズンを通して続けていけるように準備したい」と言い切った。「憧れや挑戦ではなく、絶対に活躍する」と渡米した田中の世界一への道のりが始まった。(SANKEI EXPRESS)