SankeiBiz for mobile

【MLB】「まずまず」デビュー 監督絶賛、打者脱帽

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSのスポーツ

【MLB】「まずまず」デビュー 監督絶賛、打者脱帽

更新

フィリーズとのオープン戦に登板し、実戦デビューを飾った田中将大(まさひろ)=2014年3月1日、米フロリダ州タンパ(川口良介撮影)  “180億円男”が実戦デビュー登板で、重圧をはね飛ばし期待にたがわぬ実力の片鱗(へんりん)を全米に見せつけた。米大リーグの名門ヤンキースに移籍した田中将大投手(25)は3月1日、フロリダ州タンパで行われたフィリーズとのオープン戦に五回から3番手で登板し、2回を2安打3奪三振で無失点に抑えた。本人も「まずまず」とうなずく内容。ヤ軍の監督は称賛を惜しまず、相手打者は舌を巻き、米メディアは「デビュー戦から輝いた」と、大きく報じた。

 田中 2回3K無失点

 サバシア、黒田のヤンキース先発2本柱から引き継ぎマウンドへ向かった。公式戦では見られない豪華3本柱のリレー。先頭打者は2球で追い込みながら、「完全に投げミス」という甘く入った直球を中前打された。だが連打を許さず、2死一塁で迎えたヘルナンデスを外角直球で三振に仕留めた。

 六回は先頭の1番リビアを得意のスプリットで空振り三振に。次打者に直球を詰まりながら中前に運ばれたが、昨季27本塁打のブラウンからは高めの速球で空振り三振を奪い、最後は平凡な中飛で締めた。

 打者8人に対して32球。直球は最速94マイル(約151キロ)を計測し全て試した6種類の変化球で何度も空振りを奪った。「まだ2回投げただけ。これで通用すると言ったらどうなるんですか」と、本人は謙虚だったが、全米と日本中から注目が集まるプレッシャーのなか、デビュー戦を無難に乗り切ってみせた。

 課題は胸の中に

 並みのルーキーではない。7年総額1億5500万ドル(約160億円)の大型契約を結び、楽天に支払われた移籍金2000万ドル(約20億円)を合わせると、ヤンキースが投じた資金は180億円に上る。

 ヤ軍復活を田中に託すジラルディ監督は「速球が低めに制球され、スプリットも良かった。いろんな能力があることを見せてくれた」と、絶賛。黒田も「落ち着いて投げていた」と、冷静な投球を評価した。

 対戦した打者は脱帽の様子。三振を喫したリビアは「最後はスプリットだ。完璧なところに落ちてきた」と驚き、昨季オールスター戦にも出場したブラウンは「これからもっと良くなっていくだろう。まるでもう何度もここで投げているように見えた」と、舌を巻いた。

 米メディアの評価も高かった。スポーツ専門局ESPN(電子版)は「デビュー戦で輝いた」との見出しで、球種や球速を詳報。ニューヨーク・ポスト紙(電子版)は「どう投げたらいいかをよく分かっている。球速は平均以上でスプリットは落差がある」とする某球団スカウトの話を紹介した。

 「反応が見られたのは良かった。(課題は)たくさんある。自分の胸の中にしまっておきます」と、今後につながる収穫を手にした田中。シーズンに入れば、結果を求められるのは十分に承知している。「この先、この声援がブーイングに変わらないようにしっかりと投げ続ける」と、気を引き締めた。(SANKEI EXPRESS

ランキング