SankeiBiz for mobile

田中のヤ軍入り 壁は贅沢税 争奪戦開幕 大物代理人が交渉

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSのスポーツ

田中のヤ軍入り 壁は贅沢税 争奪戦開幕 大物代理人が交渉

更新

2013年日本プロスポーツ大賞に選ばれ、表彰式で笑顔を見せるプロ野球楽天の田中将大(まさひろ)投手=2013年12月27日、東京都内のホテル(山田俊介撮影)  新ポスティングシステムでの米大リーグ移籍を目指すプロ野球楽天の田中将大(まさひろ)投手(25)と獲得を希望する球団との交渉期間が12月26日に始まり、田中の代理人は、ヤンキースの主将、デレク・ジーター内野手(39)ら大物選手の代理人を務めているケーシー・クロース氏(50)に決まった。既に複数の球団がクロース氏と連絡を取っているとされ、移籍先の最有力候補として注目を集めているのが、先発投手難の人気球団、ヤンキースだ。ただ、ヤンキースにとって、選手年俸総額が規定額を超えた場合に球団が支払う課徴金(通称・贅沢(ぜいたく)税)の問題が、条件提示上のネックになっている。

 1億ドル近い大型契約

 日本の球団が上限2000万ドル(約21億円)で落札希望額を提示し、応じた球団すべてが交渉できるようになった新制度下では、選手は年俸などを含めた契約で有利な条件を引き出しやすく、ニューヨーク・タイムズ紙は「(田中には)10球団以上が交渉を試み、獲得競争に勝つのは1億ドル(約105億円。契約金と複数年契約の年俸総額)近くの大型契約を提示できるチームになるだろう」と報じた。

 また、ニューヨーク・デーリーニューズ紙は26日、「ヤンキースは田中の獲得に全力を注がなくてはならない」との記事を掲載。通算256勝のアンディ・ペティット(41)が今年限りで引退し、先発陣として確定しているのは33歳のCC・サバシア、38歳の黒田博樹ら3人ほどしかいない窮状を嘆き、「田中のようにエースになれる25歳の加入は、来年だけでなく2010年代において、完璧な強壮剤になるだろう。何としても獲得すべきだ」と力説した。

 ニューヨーク・ポスト紙も26日、「ヤンキースに挑戦する8球団」と題し、田中争奪戦の行方を占った。対抗の1番手にはドジャースを挙げ、2番手以降はエンゼルス、レッドソックス、フィリーズ、レンジャーズ、カブス、ダイヤモンドバックス、マリナーズが続いた。

 11年連続で年俸超過

 田中の交渉代理人に決まったクロース氏は、同じヤンキースのマーク・テシェイラ内野手(33)や今季サイ・ヤング賞(最優秀投手賞)に輝いたドジャースのクレイトン・カーショー投手(25)らも担当している。交渉は米東部時間の来年1月24日午後5時(日本時間25日午前7時)に締め切られるが、クロース氏がどの球団とどれほど大きな契約をまとめるか、注目される。

 現状では、資金力があり、田中の必要度も高いヤンキースが最有力とみられるが、贅沢税の問題が障害になっている。ヤンキースは来年、メジャー枠40人の年俸総額を、贅沢税を払わなくても済む1億8900万ドル(約198億円)の規定額内に収めることを目標にしているためだ。田中と契約すれば、複数の大物選手を放出しない限り、規定額を上回るとみられている。

 2003年からスタートした贅沢税は、戦力の均衡化が目的とされ、今季、規定額を超えたのは2億4300万ドル(約255億円)のドジャース、2億3400万ドル(約246億円)のヤンキースだけ。ヤンキースは大リーグで唯一、11年連続で規定額を超過。税率は連続するほど毎年引き上げられる仕組みとなっており、今季は超過分に課せられる税率が50%に上昇した。ただ、税率は1度でも規定額内に収めることができれば、再び最小の17.5%まで下がることになっている。

 ヤンキースのハル・スタインブレナー・オーナー(44)は、「規定額はあくまで目標であり、至上命令ではない」と話しているが、贅沢税が悩ましい問題であることは間違いない。(SANKEI EXPRESS

ランキング