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SNH48総選挙 中国の若者変える? 「投票で世界を動かす」実感
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人気アイドルグループ「AKB48」の海外姉妹ユニットとして中国で昨年(2013年)デビューした「SNH48」が7月26日、本拠地の上海で開くコンサートで「第1回総選挙」の開票イベントを行う。現在のメンバー40人(日本人2人を含む)全員が立候補。5月20日から始まった投票で、中国国内のファンらがすでに計20万票近くを投じたという。若者たちは「投票」が持つ意味を、実感し始めている。
悪化が続く日中関係とは裏腹に、中国の若者の間に日本のポップカルチャー人気は高まる一方。なかでもSNH48の総選挙が熱を帯びるのは、6月に日本で行われたAKB48総選挙で、中国からの投票が結果を左右したとみられるからだ。
中国紙、新京報によると1位になった渡辺麻友(まゆ)さんが得た約16万票のうち、約3万6000票を中国のファンが投票した。2位に下がった指原莉乃さんにも中国から約1万8000票が入ったものの、新京報は“中国票”の差が渡辺さんを1位に押し上げたと指摘している。
AKB総選挙では、中国各地のファンが計180万元(約3000万円)の資金を集め、日本に送金して投票権付きCDを送ってもらって投票したという。新京報は投票により「中国人も『世界を変える』という快感を体験した」と論評した。
共産党一党支配の中国には村のレベルを除いて自由に直接投票できる選挙はない。上海在住でSNH総選挙に500票分の投票をしたという周成龍さん(30)は、「投票を通じて自分たちの世界を変えることができることに達成感がある」と話した。上海在住の別のファン、黄哲人さん(24)は、「アイドルの側も投票するファンを大事にしてくれると思う」と言い、“選挙権”を持つことの意味を感じ始めたようだ。
SNH48総選挙もAKB同様、1人1票とは限らない。中国ではSNH48の正規CD1枚(78元=約1300円)に1票の投票権が付くほか、48票の投票権が付いたCDセットで1680元(約2万7000円)などもある。SNH48アドバイザーの山本学さんは、「中国市場で(正規版の)CD販売枚数で尋常ではない5万枚以上の売れ行き」と、ファンの手応えを感じている。
SNH48総選挙の投票は25日に締め切られ、26日午後9時(日本時間午後10時)ごろ集計結果を公表するという。
今月(7月)5日の中間発表では7352票を集めた1期生の呉哲●(=日へんに含)さん(18)が1位。同じく1期生の趙嘉敏さん(16)が5303票で2位となった。(上海 河崎真澄/SANKEI EXPRESS)