SankeiBiz for mobile

米軍のイラク空爆1カ月、長期化の様相も 言葉と裏腹 「イスラム国一掃」膠着

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの国際

米軍のイラク空爆1カ月、長期化の様相も 言葉と裏腹 「イスラム国一掃」膠着

更新

過激派「イスラム国」への対応などを協議したNATO(北大西洋条約機構)首脳会議から帰国したバラク・オバマ米大統領=2014年8月5日(AP)  米軍が過激派「イスラム国」に対してイラクで空爆を開始してから8日で1カ月。オバマ政権は、凶悪行為を重ねる過激派の一掃を目指すが、不可欠とされるシリア側拠点への空爆拡大は容易でない。空爆作戦の出口は見えず、長期化の様相も呈している。

 散発的で限定的

 「地獄の門まで追い詰める」

 ジョー・バイデン米副大統領(71)は3日の演説で、米国人記者2人を殺害したイスラム国に「裁き」を受けさせる決意を表明した。ただ、言葉の力強さとは裏腹に、展開中の空爆は散発的、限定的だ。

 8月8日、ペルシャ湾の空母「ジョージ・ブッシュ」を飛び立ったFA18戦闘攻撃機2機がイラクのアルビル付近でイスラム国を攻撃。米中央軍によると、これまでに有人機、無人機による空爆を130回以上実施し、過激派の検問所や迫撃砲陣地、武装車両などを破壊した。

 イラク北部でイラク軍やクルド治安部隊が反転攻勢する転機を作り出したことは事実だ。だが、イスラム国の勢力を著しくそぐことができたとは言い難い。

 イスラム国側には、空爆をやり過ごそうとする抜け目のなさも見受けられる。ロイター通信は「標的になりやすい武装車両を捨て、住民の中に紛れ込んでいる」という現地の証言を伝えた。

 地上戦の覚悟必要

 イスラム国の支配地域はイラクとシリアにまたがり、いまや英国に匹敵する広さに及ぶとの見方もある。「解体し、破壊する」というバラク・オバマ大統領(53)の言葉を実現するには、多くの難題を克服する必要がありそうだ。

 空爆をイラクからシリアに拡大し、さらに地上戦も覚悟せざるを得ないというのが専門家の共通した見方だ。

 オバマ政権には、敵対するシリアのアサド政権と手を組むつもりがない以上、シリアで空爆対象を絞り込むために必要な情報を得る手段が極めて限られている。欧州や中東の同盟国、友好国との有志国連合の構築も課題だ。

 英国と対応に違い

 イスラム国には、外国人多数が戦闘員として合流しているとされる。特に欧州では、過激派の「聖戦」で戦闘技術を身につけた自国民が帰国して「テロリスト予備軍」になることへの恐れが膨らんでいる。

 英国は国際テロに対する警戒レベルを引き上げただけでなく、不審人物のパスポートを押収する方針も打ち出した。

 今のところ、米政府はイスラム国が米国で大規模テロを引き起こす能力は低いと見て静観しているが、英国との対応の違いに米国内では不安や批判の声が目立ち始めている。

 共和党のルビオ上院議員は5日、イスラム国打倒に向けた戦略の説明を求める書簡をオバマ氏に送り付けた。11月に中間選挙を控え、オバマ政権は国内世論にも耳を澄ませながら次の手を探っている。(共同/SANKEI EXPRESS

 ≪ベルギー発砲事件の容疑者、イスラム国構成員か≫

 ベルギーで5月に4人が殺された発砲事件で逮捕されたアルジェリア系フランス人の男が、犯行前に内戦下のシリアで過激派「イスラム国」の構成員として人質や捕虜を監視していたと、人質だったフランス人記者らが証言した。米CNN(電子版)などが6日、伝えた。

 欧米出身の若者がシリアに赴いてイスラム国の過激思想の影響を受け、母国などで大規模テロを起こす懸念が強まる中、実際にテロ行為に及んだ疑いが濃厚となったことで、国際社会のイスラム国に対する不安は一層高まりそうだ。

 男はフランス北部出身のメディ・ネムシュ容疑者。フランスメディアによると、2013年にシリア内戦に参加した。シリアで拘束され、今年4月に解放されたフランスの週刊誌記者、ニコラ・エニン氏は6日にパリで記者会見し、ネムシュ容疑者の多数の写真や映像を見た結果、自分を監視していたイスラム国の看守であることを確認したと述べた。

 エニン氏は、イスラム国に殺害された米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏とともに拘束されていた。フランス紙ルモンドなどによると、ネムシュ容疑者はイスラム国の下部構成員とみられ、シリア北部アレッポの病院で欧米人人質やシリア人捕虜の監視に当たっていたという。冷酷で、激しい拷問を行うことで人質らから恐れられていた。

 ネムシュ容疑者は今年5月24日にベルギーの首都ブリュッセルのユダヤ博物館で4人が殺害された事件の実行犯として5月30日にフランス南部で逮捕された。拘束の際「イスラム国」の名前付きの布でくるんだ銃を持っていたという。(共同/SANKEI EXPRESS

ランキング