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経済
【Q&A】基準地価 アベノミクス、五輪で東京圏上昇
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1平方メートル当たりの地価が最高額となった東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」=2014年9月14日(共同) 国土交通省は今年7月1日時点の基準地価を発表しました。東京、名古屋、大阪の三大都市圏の住宅地は平均0.5%の上昇で、6年ぶりにプラスに転じました。一方で地方圏は下落地点が80%を占め、二極化の傾向が懸念されます。
Q 基準地価とは
A 都道府県が調査地点ごとに1平方メートル当たりの価格を調べ、国交省がまとめて発表します。今回は約2万1700地点が対象でした。国交省が毎年1月1日時点で調べる公示地価と併せ、土地取引や固定資産税評価の目安になります。地域の景気動向の指標としても注目されています。
Q 国税庁が公表する路線価とは何が違うの
A 路線価は、相続税や贈与税の算定基準にするため、1月1日時点で主要道路に面した土地の価格について、公示地価を基に算出します。同一地点の評価額は、公示地価の約8割の水準とされています。
Q 都市部などで地価が上がっている理由は
A 三大都市圏では商業地も2年連続で上昇しました。景況感が上向き、オフィス需要などが高まったことがまず挙げられます。国交省は、低金利や円安といった安倍政権の経済政策「アベノミクス」による投資の活発化や、住宅ローン減税も要因と説明しています。
Q 2020年の東京五輪開催決定による効果は出ているの
A 競技会場に近い東京の湾岸エリアでは、交通アクセスの改善やバリアフリー化への期待が高まっており、マンション市場が活況です。東京都中央区の勝どき駅周辺の住宅地は10.8%も上昇しました。東京圏の地価は20年までは上がり続けると予想する有識者もいます。
Q 地方圏で上昇している地域はありますか
A 景気回復傾向は地方の中心都市などにも波及しています。仙台市や福岡市は上昇幅が拡大し、15年春の北陸新幹線延伸開業を控える富山市や金沢市は商業地がプラスに転じました。外国人観光客が訪れるリゾート地でも上昇地点が見られます。
Q ほかの地域はどんな状況なのでしょう
A 人口が減り、高齢化が進む地域では、マイナス傾向に歯止めがかかっていません。人や投資を呼び込むことができなければ、地価上昇は難しいのが現状です。
Q 安倍政権は地方創生を打ち出しています
A 人口が減り、財政状況も厳しい中では、全国一律のばらまきではなく、地方分権や規制緩和といった制度改革を通じて、活性化に向けた地域の独自の取り組みを応援していくことが求められます。
≪マンション、オフィス需要が牽引≫
三大都市圏は不動産会社がオフィスやマンションの用地を積極的に購入し、住宅地や商業地の地価上昇につながっている。アベノミクスの効果もあって、オフィス需要やマンション販売が底堅く推移しているためだ。ただ地方は人口減少が進み、新たな用地取得の動きは鈍く、大都市圏との地価の差がさらに広がると懸念されている。
不動産関係者は東京都心部に関し「富裕層の不動産投資意欲は強い」と話す。2020年東京五輪を控え、マンション価格の上昇が続くとの見方が広がっているためだ。三大都市圏はオフィスも好調。仲介大手の三鬼商事(東京)によると、8月末時点の東京都心5区の平均空室率は6.02%となり、09年2月(5.60%)以来、5年6カ月ぶりの低さになった。
一方で、地方の地価について不動産協会の木村恵司理事長(三菱地所会長)は「一度下がったものが、上がってくる段階にはなっていない」との見方を示す。人口減少で住む人が少なくなる住宅地が目立ち、企業や事業所の統廃合によるオフィスや工場の移転も続いている。(SANKEI EXPRESS)