ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
トレンド
丸みも再現 「四角」の魔術師 レゴ職人 大澤よしひろさん
更新
結婚式のディスプレー。乗り物に使うことが多い部品で、柔らかなリボンを表現した=2014年8月6日、東京都港区台場のレゴランド・ディスカバリー・センター東京(門井聡撮影、魚眼レンズ使用) ジャラジャラと音を鳴らし、山盛りのブロックを探る。次々と拾い上げられるプラスチックの直方体は、組み合わさって次第に姿を変えていく。
子供の頃に遊んだという人も多いだろうレゴ(R)ブロックの可能性に引き込まれ、さまざまな物の再現に挑む「レゴ職人」と呼ばれる人たち。
大澤よしひろさん(29)は、世界でたった11人、日本で唯一という「マスター・ビルダー」の肩書を持つプロの作家だ。2012年、体験型アトラクション施設「レゴランド・ディスカバリー・センター東京」(東京都港区台場)の開業に際してコンテストで優勝し、選出された。展示作品製作の他、レゴ教室で教える題材の考案などにも携わる。
手元に立体の見本がなければ、写真を参考にして3次元に組み立てる。「ボヤーッとイメージが浮かんで、作りながら調整していく感じ。試行錯誤です」。少し先を読みながらパーツを選び、組んでいく。
たくさんの種類がある部品の中から、目当ての物を探し出すのもブロック遊びの楽しさだが、「そのなかで考えてもなかったパーツに触れ、これ使えるかも?とひらめくことも多いです」と言う。
≪ひらめいて 自由自在に変身≫
代表作の一つの「ミノカサゴ」。放射状に広がるヒレの付け根には、人形に持たせる小道具のデッキブラシを使った。「ふと目に入った。もしかしてと試したらピッタリくっついて、鳥肌ものでした」。専用のパーツという固定観念は捨てる。「こういう形をした部品という見方をします」。柔軟な部品選びが、造形の幅を広げる。
小中学生の頃は、想像通りに作れないことがほとんどだった。一方、ネット上はすごい作品の数々で、「大人になれば作れるようになる。やめたらもったいない」と思い、続けてきた。「考えながら作るとブロックの規則性が分かってくる。応用が利くようになります」。経験を重ねることで、再現できる描写も増えていった。
現在は、教室のためにシンプルな作品を考えることが多いという。「自分の好みよりは、お客さんがどんなのを作りたいかを大事にします」。目を輝かせる子供たちの前で、四角いブロックは無限に変化する。(写真・文:写真報道局 門井聡/SANKEI EXPRESS)