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「人々を笑顔に」宝探し拡大 サンフランシスコから世界へ ヒントはつぶやき
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米カリフォルニア州サンフランシスコ ツイッターでつぶやかれたヒントを基に、フォロワー(閲覧者)が街中に隠された現金入りの封筒などを探す、新手の「宝探し」が米カリフォルニア州で人気となり、国内外に広がる動きも出ている。ロイター通信などによると、宝探しを始めたのはサンフランシスコの不動産デベロッパーの男性(匿名)で、「人々を笑顔にしたい」という思いが動機という。騒ぎが日増しに大きくなる中、米メディアも連日、この“狂想曲”を報じている。
男性は5月23日(現地時間)から、ツイッター上に「@Hidden Cash」(隠された現金)と題したサイトを開設し、現金の置き場所情報を時には写真を添付しながら“つぶやいた”。当初は場所はサンフランシスコに限定され、例えば「新しいサンフランシスコの落とし物:『一番曲がりくねった道』沿いにフランクリン氏(100ドル紙幣のこと)を探せ。坂の下に向かって」(5月27日)などとヒントが示された。
サンフランシスコでは(5月)23日以降、100ドル紙幣が入った封筒や20ドル紙幣数枚が中に詰め込まれたミニチュア人形が、各所で見つかり、1日当たりの総額は1000ドル(約10万円)ほどになる。隠し場所は、公園の植栽の中やベンチの下などさまざまで、道路標識の裏や消火栓、パーキングメーターなどに張り付けられているケースもある。ツイッターには「宝」を探し当てた市民らの笑顔の写真や現金の使い道が投稿され、さらに触発されてヒントを見た閲覧者が何十人も集まって「宝」を探している様子がニュースで連日放映されている。
一体、男性の正体は誰なのかという市民の関心が高まっていた中、米CNNが男性の知人を通じて本人との電話インタビューに成功。この匿名男性は年齢35~45歳の不動産デベロッパーで、米国内で上位1%に入る富豪であることが判明した。さらに最近、数千万円単位の利益が出るビジネスが成約し、富を社会に還元しようと思い立ったという。
男性は「組織化された従来型の慈善活動ではなく、簡単にできて楽しくて創造的な方法を試したかった」と強調。「政治や宗教、ビジネスとは一切関係ない。自分の受けた恩を、今度は不特定の人たちに届けるというのが趣旨だ」とCNNに話した。
フォロワー数は(5月)31日までに40万を超え、隠し場所も(5月)28日にはサンノゼ、(5月)29日にはロサンゼルスにまで拡大。これに呼応するように、イリノイ、カンザス、コロラド、フロリダなどの他州でも別の「主宰者」による同類の宝探しが飛び火。海外でも英国、オランダ、南アフリカ、香港で模倣した宝探しが始まっている。
男性は「これがひとつの運動となって富裕層の間で連鎖的に広がることを望む。投資が成功して大きな利益を手にした時と同等か、それ以上のやりがいを感じられるはずだ」と語り、「次はニューヨークで、そして今後も無期限で続ける」と力を込めた。
また、市民からはローン返済や子供の学費などにお金が必要だと訴える投稿も殺到しているが、男性は「あくまでこれは社会を明るくするゲーム。家計の救済策としては期待しないでほしい」と話している。(SANKEI EXPRESS)