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【香港民主化デモ】17歳リーダー復帰 勢い増す 政府機能一時まひ

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【香港民主化デモ】17歳リーダー復帰 勢い増す 政府機能一時まひ

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【香港民主化デモ】×印は占拠箇所=2014年9月30日現在、中国・香港  香港で「真の普通選挙」を求める学生を中心としたデモ隊2万人は2日夜から3日未明にかけ、行政長官弁公室(官邸)と政府本部庁舎を包囲し、政府機能が一時まひ状態となった。梁振英行政長官は2日深夜の緊急記者会見で、学生らから突き付けられた辞任要求を拒否する一方で、ナンバー2の林鄭月娥政務官に学生との対話に当たるよう指示した。

 だが、デモ隊には、9月下旬に警察当局に逮捕された17歳の民主化運動リーダー、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんが釈放されて復帰し勢いを増している。幹線道路を占拠する大規模デモが開始されてから4日で1週間になるが、学生と香港政府の間に妥協の余地はなく、収拾の道筋は見えないままだ。

 路線バス運休相次ぐ

 梁氏が辞任を拒否したため学生らは3日も包囲を継続し、本部庁舎に勤務する約3000人の職員の多くが出勤できず、政府業務は停止した。

 官邸前では警官らの食事を運ぶトラック2台がデモ隊に阻まれる一方で、官邸から車両が出る際に警官が強制的に通路を確保しもみ合いの混乱になった。

 一方、九竜地区のモンコック(旺角)では街頭占拠に反対する親中派の市民団体などが、デモ隊のテントを引き倒すなどして衝突し、警官隊が人垣を作って引き離した。

 香港市内では3日も200以上の路線バスが運行を停止したり、ルートを変更したりして、交通混乱が続いた。一部の小中学校の休校も続き、市民生活への影響が深刻化している。

 銀行も約20カ所の営業拠点で業務が停止。連休明けの3日の株式市場は通常の取引が行われ、これまでの急落で割安感が出たためやや反発したが、経済活動停滞への不安は高まっており、好意的だった世論の中にも、批判的な声が徐々に広がっている。

 「17年には選挙権」

 そんな中、中国本土の公安当局が「過激な危険分子」と警戒するウォンさんは、包囲網の中心で演説し、デモ隊を鼓舞した。9月26日から27日にかけての政府庁舎構内への突入で先頭に立ち、警察に逮捕されたが、約40時間拘束された後、無事釈放された。

 ウォンさんについて、中国寄りの香港紙「文匯報」が、米国から不正な資金を受け取り、米中央情報局(CIA)から香港の学校に送り込まれたと報じるなど、中国当局はその動向に神経をとがらせているようだ。

 ウォンさんは、この9月に大学1年となったはずだが、授業ボイコットでまだ大学生気分を味わっていない。

 「(次期行政長官選が行われる)2017年には自分も選挙権を得る。(民主派が候補から締め出される)中国お仕着せのニセの普通選挙なら香港に未来はない」

 6月に熱くこう語っていたウォンさん。学生らは香港当局に対し、一歩も引かない構えだ。(SANKEI EXPRESS

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