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【Q&A】中間選挙敗北のオバマ政権 拒否権乱発か 共和党と協調か
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4日投開票の米中間選挙でオバマ大統領の与党民主党が大敗した。
Q 民主党は歴史的な敗北を喫したね
A 野党共和党は下院の多数派を守り、上院でもジョージア州など激戦州で勝って8年ぶりに過半数を奪還した。下院では第二次大戦後最大勢力の246議席に迫る勢いで、大躍進を印象づけたね。
Q オバマ大統領は人気があったはずなのに
A 2008年大統領選で「チェンジ(変革)」を約束して当選した黒人初の大統領に向けられた期待は大きかったね。
Q どうして大統領の与党が敗れたのだろう?
A 大統領就任時の米国はリーマン・ショックといって経済不況が深刻だった。今は失業率が改善し、ニューヨーク株式市場の株価が史上最高値を記録するようになった。それでも肝心の賃金は上がらないから、国民には豊かになったという実感が湧いてこないんだ。
政治の世界では、民主党と共和党の対立が激しくなったね。大統領が看板政策として実現させた医療保険改革(オバマケア)は、国民の保険加入率を高めることが目的だった。でも共和党は「個人の自助努力」が重要だとして猛反発した。
米国内でのエボラ出血熱感染や中東の過激派「イスラム国」台頭を招いたことも大統領の指導力への疑念を深める結果になったね。期待が大きかっただけに、その反動も大きかった。大統領の支持率40%前後の不人気ぶりに「わたしはオバマとは違う」と弁明した民主党候補もいたよ。
Q 米国民は共和党を信任したということ?
A 選挙では「反オバマ」を掲げて成果を挙げたけど、有権者は共和党の政策に魅力を感じて票を投じたわけじゃない。昨年秋には、政府の予算をめぐって党派対立が先鋭化し、ニューヨークの自由の女神像など観光地や一部の政府機関が閉鎖に追い込まれるなど、混乱を招いた。
分断を深めるだけの共和、民主両党への不信が政治離れを招いているんじゃないかな。
Q 今後の政権運営はどうなるの?
A 共和党の上下両院支配が決まり、残り2年余りを残してオバマ政権のレームダック(死に体)化が進むだろう。政治の焦点は16年の大統領選に移ったという見方が強いね。
共和党が自分たちの実現させたい法案ばかり成立させようとすると、オバマ大統領が過去2回しか行使したことがない拒否権を乱発して抵抗する事態を招くことになりかねない。
Q 「決められない政治」が続くのかな?
A 内政と外交で待ったなしの課題が山積しているため、前に進むには妥協も必要だよ。実際、オバマ大統領は共和党と協調する姿勢を示している。
任期終了間近にすばらしい仕事をした大統領も少なくない。レーガン元大統領は冷戦終結に向け当時のソ連と核軍縮条約に調印した。大胆な行動に打って出て「遺産」を残せるか、議会と政権の「ねじれ」を強めて混乱に拍車をかけるだけで終わるのか。オバマ大統領は最後まで注目され続けるだろうね。(共同/SANKEI EXPRESS)
≪「党派ではなく内容で」≫
オバマ米大統領は7日に行った与野党の議会指導者らとの会談で、共和党の幹部に対し「政策は党派ではなく内容で判断したい」と述べ、教育問題など考え方が近い政策課題があるとして協調を呼び掛けた。
会談には、来年1月から上下両院で多数派となる共和党から上院トップのマコネル院内総務やベイナー下院議長らが出席。政権側からはオバマ氏のほか、上院議長も兼ねるバイデン副大統領、ヘーゲル国防長官らが出席。民主党からはリード上院院内総務、ペロシ下院院内総務らが参加した。
オバマ氏は議会が早急に取り組むべき課題としてエボラ出血熱対策や過激派「イスラム国」対応の支出承認などを挙げ、「米国民は政治の停滞に強い不満を持っている」と指摘。インフラ整備、公平な税負担や財政赤字削減などの分野を例示して「共に取り組むことができる」と呼び掛けた。(SANKEI EXPRESS)