SankeiBiz for mobile

首相「軽減税率、消費再増税と同時」

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの政治

首相「軽減税率、消費再増税と同時」

更新

産経新聞のインタビューに答える安倍晋三(しんぞう)首相=2014年11月19日午後、首相官邸(酒巻俊介撮影)  安倍晋三首相(60)は19日、官邸で産経新聞の単独インタビューに応じ、生活必需品の税率を低く抑える軽減税率を、2017年4月の消費税率10%への再引き上げ時に導入する方向で検討する考えを示した。憲法改正については「国民の関心をよく見極めながら、どの条項から改正するか自民党内で大いに議論したい」と述べた。

 税調幹部が合意

 首相は、消費税率10%時の軽減税率導入について「導入の方向で検討を行うよう指示した。自民、公明両党の税の専門家が議論をスタートすることになる」と答えた。与党税制調査会幹部は19日、国会内で会談し、消費税再増税時の軽減税率導入を目指すことで合意した。

 消費税再増税について首相は「安定的な財源を得る必要があるので、(消費税率を)10%まで上げていく必要はある。ただ、そのタイミングは、経済成長の足を引っ張らない、デフレ脱却を阻害しないタイミングにする必要がある」と説明。「3年間あれば、3度の賃上げを実施することができる。私にはその自信がある」と述べ、再増税を1年半先送りした自身の判断に理解を求めた。

 衆院解散を決断したことに関しても「消費税再増税の1年半延期は賛否両論ある。(増税を停止できる)景気弾力条項を削除するのは重大な変更だから、信を問わなければならない」と強調。「アベノミクスが間違っているか、国民の声を聞きたいと判断して解散を決断した」と語った。

 7月の集団的自衛権の行使を容認した閣議決定については「選挙では2年間の安倍政権が問われるのだから、当然国民の信を問うことになる」と述べた。議席獲得目標を「与党で過半数」としたことについても「現在、議席を持っているからといっても、それは2年前の話だ。そんなに甘い状況だとは全く思っていない」と語った。

 「慰安婦」発信を強化

 一方、慰安婦問題をめぐっては「客観的な事実に基づいて、正しい歴史認識が形成され、国際社会における日本の名誉や信頼が回復されるべきだ。事実に基づかない吉田清治証言が広く海外に喧伝(けんでん)された結果、日本の名誉が大きく傷ついたのは事実だ。それを払拭するのは簡単なことでない」と指摘。「国際社会から正当な評価を受けることを求めていくとともに、吉田証言は誤りだったと正していく必要がある。戦略的な外交発信をより一層強化していきたい」と強調した。

 中国船によるサンゴ密漁問題についても首相は「海上保安庁に厳正に対応するよう指示している。日中首脳会談でサンゴ船の問題も取り上げられたが、私は習近平国家主席に前向きな対応を求めている」と語った。

 日韓関係については「関係を改善させていきたい。戦略的利益を共有する2国間関係を発展させていくことは、わが国の国益でもある」と説明。「前提条件をつけずに、課題があるからこそ両国の首脳が胸襟を開いて会談することは重要だ。先般、たまたま夕食会で(朴槿恵(パク・クネ)大統領と)席が隣になり、その機会を活用して率直な話し合いをすることができた」と述べた。

 靖国神社参拝に関しては「国のためにかけがえのない命をかけて戦った英霊に対し手を合わせ、冥福を祈るのは国のリーダーとしての当然の務めで、各国のリーダーに共通する」と強調。その上で、「靖国に参拝するかどうかということを外交問題にしてはならない。今、私が行くとか行かないとか言うつもりはない」と語った。

 ≪与党 勝敗ラインは「266」の絶対安定多数≫

 自民、公明両党の幹事長、国対委員長らが19日、都内のホテルで会談し、衆院選の議席獲得目標について、与党で常任委員長を独占し、全委員会で委員の過半数を占める「絶対安定多数」となる266議席以上を目指す方針を確認した。安倍晋三首相は18日の記者会見で、与党で過半数の238議席以上の確保を勝敗ラインと位置づけたが、与党内の士気を高める狙いもあり「上方修正」した。

 公明党の大口善徳(おおぐち・よしのり)国対委員長(59)は会合後、記者団に「与党で270議席以上を目指したい」と明言した。

 与党の現有議席は、自民党が295(伊吹文明(ぶんめい)衆院議長を含む)、公明党が31の合計326。法案の衆院再可決が可能な3分の2以上を占める巨大勢力だ。

 首相が示した勝敗ラインは、ここから88も少ない。与党から「あまりに消極的な目標だ。現場の士気にかかわる」(閣僚経験者)と批判も出ていた。

 ただ「266議席以上」となれば、「妙な逆風が吹いたら、絶対大丈夫とは言い切れない」(党幹部)という危険もはらむ。

 党三役経験者は「衆院比例代表の全11ブロックで選挙区と比例代表の当選者を現有から2人ずつ失えば、あっという間に44議席減る」と指摘する。

 自民党大島派会長の大島理森(ただもり)衆院予算委員長(68)は19日、「何議席取れればどうなんて話は早すぎる。候補者全員が当選できる環境を作るのが政党の責務だ」と述べ、浮き足立つ党内を牽制(けんせい)した。(水内茂幸/SANKEI EXPRESS

ランキング