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【衆院選】自民、消費税の「しこり」残し選挙戦

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【衆院選】自民、消費税の「しこり」残し選挙戦

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首相官邸で会見を開き、衆議院解散を表明する安倍晋三(しんぞう)首相=2014年11月18日午後、東京都千代田区の首相官邸(早坂洋祐撮影)  安倍晋三首相(61)が18日夜の記者会見で、消費税再増税の延期と21日の衆院解散を正式に表明したことで、与野党各党は一気に“選挙モード”に突入した。

 首相は記念撮影

 安倍首相が衆院解散を正式に表明したことで、自民党は挙党態勢の構築を急ピッチで進めることが迫られる。来年10月に予定した消費税率10%への再引き上げは、1年半の先送りでひとまず決着がついたが、増税派と先送り派の間で、しこりがくすぶっている。結党50年を迎えた公明党といかに連携を密にするかも課題といえる。

 「大変力強い提言をいただいた」。首相は18日、消費税再増税の1年半延期を柱にした提言を首相官邸に持参した自民党の山本幸三衆院議員(66)ら「アベノミクスを成功させる会」のメンバーに、そうねぎらいの言葉をかけた。

 首相は、山本氏の説明に耳を傾けながら提言の中にあった「経済対策の実施」の部分に線を引いた。そして、「デフレ脱却、経済再生と財政再建の二兎(にと)を追って解決する必要がある。このような提言を出してもらい、大変うれしい」と語りかけ、財務省出身の首相秘書官の方を見て「財務省はどう言うか知らないけどね」とちゃかしてみせた。

 首相は、よほど機嫌を良くしたのか、自ら議員一人一人と記念撮影に応じるサービスぶりだった。

 「成功させる会」のこれまでの動きを苦々しく思ってきたのが増税派の牙城、党税制調査会のメンバーたちだ。

 ただ、党本部で18日に開いた党税調総会では、首相の盟友、麻生太郎副総理兼財務相(74)が出席する中、野田毅(たけし)税調会長(73)は「平成27(2015)年度の税制でもデフレ脱却、日本経済再生を念頭に置いて対応しなければならない」と殊勝な発言に終始した。

 町村信孝顧問(70)に至っては総会後、記者団に「最終的な判断を首相に任せるのは、われわれは早々と合意している」と言ってのけた。

 野田氏は一貫して再増税先送りに反対してきた。このことは、官邸サイドが、衆院の「73歳定年」という党の内規に抵触するため比例代表から立候補できないことを理由に、野田氏の公認を見送るよう党側に働きかけているのと無関係ではなさそうだ。熊本県連会長の山本秀久(ひでひさ)県議は党本部で谷垣禎一(さだかず)幹事長(69)と会談し、対応を協議した。

 公明との連携腐心

 衆院選で自民党は、政権の「ブレーキ役」を自負している公明党といかに連携していくかにも腐心しそうだ。首相は18日、記者会見に先立ち、山口那津男(なつお)代表(62)と官邸で会談した。今回の衆院選の公明党のキャッチコピーは「いまこそ、軽減税率実現へ。」。会談でも山口氏は消費税率10%への再引き上げと同時に軽減税率を導入するよう求めた。

 集団的自衛権の行使容認をめぐって、首相サイドに譲ったとの意識が強い党執行部には、「軽減税率は何としても勝ち取りたい」(幹部)との思いが強い。軽減税率の導入要請に対し、首相は「承っておきます」と述べるにとどめた。

 その言いぶりには、結党50年の節目を迎え、いまだ自民党の「げたの雪」と揶揄(やゆ)される現状を打破したい山口氏との微妙な距離感がにじんでいた。

 ≪「ケンカ別れ」みんな 政界再編の触媒にも≫

 みんなの党は、野党再編を志向する浅尾慶一郎代表(50)と安倍晋三政権への協力姿勢を崩さない渡辺喜美(よしみ)前代表(62)の路線対立が収まらず、2009年の結党からの歴史に幕を下ろす運びとなった。衆院8人、参院12人の所属議員が模索する身の振り方はバラバラ。雲散霧消しそうだが、結党の原点にあった政界再編の“触媒”となる可能性はある。

 「ここから出て行け、この野郎」

 国会内で18日に開かれた党役員会。意見を述べようと部屋に入った渡辺氏に近い三谷英弘(みたに・ひでひろ)衆院議員(38)を、浅尾氏を支える水野賢一幹事長(48)が怒鳴りつけた。ケンカ別れを象徴するシーンだ。

 役員会は紛糾したが、解党を決める両院議員総会を19日にも開くことが多数決で決まった。

 役員会後、浅尾氏は「党の存続ということにはならない」と明言した。浅尾氏らが目指すのは民主党や維新の党を巻き込む形の野党再編だ。それが実現しなかった場合も、民主か維新のどちらかに合流したい考えの議員もいる。

 一方、党の存続にこだわる渡辺氏は18日、「国会議員の都合で決めるのは手続きが間違っている」と指摘し、党大会の開催を主張した。170人を超える地方議員らを頼りにしたい考えのようだが、同調者は広がりを欠いている。

 さらに、浅尾、渡辺両氏と距離を置く松沢成文(しげふみ)参院議員(56)は和田政宗(まさむね)参院議員(40)と解党後に新党の立ち上げを模索する考えを表明した。次世代の党との連携が念頭にあり、5人以上が参画するとみられる。(SANKEI EXPRESS

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