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エアバス、最新鋭中型機「A350」お披露目 日本の空 ボーイングと争奪戦

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エアバス、最新鋭中型機「A350」お披露目 日本の空 ボーイングと争奪戦

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日本航空が発注しているエアバス社の最新鋭旅客機「A350_XWB」=2014年11月20日午後、東京都大田区・羽田空港(鴨川一也撮影)  欧州航空機大手エアバスは20日、長距離用の最新鋭旅客機「A350」の内覧会を羽田空港で開いた。A350は日本航空が最大56機(うち31機が確定発注)を購入する契約を昨年10月に結んでおり、2019年から順次運航を開始する。

 お披露目されたのは、エアバスが保有する5機のA350のテスト機のうちの1機。17日にエアバス本社のある仏トゥールーズを発ち、韓国・ソウルをへて19日に羽田に着いた。A350が日本に飛来するのは初めてで、顧客となる航空会社の関係者らに乗り心地などを評価してもらうのが目的だ。今後はベトナムやタイ、マレーシアに飛ぶ。

 A350は胴体の長さに応じて3タイプあり、標準的な座席数は276~369席。軽量素材を採用するなどして、エアバスによると燃費効率は競合機より25%優れているという。今年10月時点で日航を含め世界39の航空会社から750機の確定受注があり、初号機は年末までに中東のカタール航空に引き渡される。

 この日は内覧会に先立ち、招待客や報道陣を乗せて約1時間飛行。参加者からは「離陸時の騒音や振動が少なくて驚いた」と評価する声も上がった。

 ≪日本の空 ボーイングと争奪戦≫

 ともに世界を代表する航空機メーカーの欧州エアバスと米ボーイングが日本市場でしのぎを削っている。民間航空機の世界シェアではほぼ互角だが、日本市場に限るとボーイングが8割超を握る一方、エアバスは1割台にとどまり大きく水をあけられてきた。だがエアバスが昨年10月、ボーイングと長年にわたり密接な関係にあった日本航空から大量受注を獲得。勢力図がどう変わるか注目される。

 20日に開かれたエアバスの「A350」の内覧会。担当のマーケティング担当者は「A350は世界で、とりわけアジアでは素晴らしい成功を収めている」と強調した。現状の確定受注750機のうち、約3分の1に当たる244機は経済成長を背景に航空需要が拡大しているアジアの航空会社から獲得したものだ。

 高額な民間航空機を米国から買うことが日米貿易摩擦を和らげてきた過去の経緯などもあり、日本市場はボーイングの独壇場だ。

 そうした中、日航は国際線と国内線で現在の主力機種であるボーイングの大型機「777」の後継機種として、A350を最大56機購入すると決定。ボーイングへの依存度が特に高かった日航から初めて発注を受けたエアバスにとって「日本市場での突破口」(ファブリス・ブレジエ最高経営責任者)を開いた形だ。

 だが、ボーイングも巻き返した。全日本空輸を傘下に持つANAホールディングスが今年3月にボーイングとエアバスから最新鋭機を計70機“まとめ買い”したときに、高価格の中・大型機は全てボーイングが受注して牙城を守った。

 これらの商談では、エアバスとボーイングが値引きなどをちらつかせ、受注合戦を展開したとされる。

 またエアバスは、今年8月にボーイングの777に決まった政府専用機の後継機種をめぐっても、当初は自社機材の提案を検討したことがあり、昨年の日航からの大量受注の余勢を駆って日本市場での存在感向上に余念がない。両社の攻防は激しさを増しそうだ。(森田晶宏/SANKEI EXPRESS

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