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米フェイスブックがジャンボ級無人機開発 空からネット接続、グーグルにリベンジ

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米フェイスブックがジャンボ級無人機開発 空からネット接続、グーグルにリベンジ

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フェイスブックとグーグルが買収で争奪戦を繰り広げたタイタン・エアロスペースが開発している無人機のイメージ図(タイタン・エアロスペース提供、AP=共同)  米フェイスブック(FB)が、超大型のソーラー式無人機の試験飛行を来年に計画していることが分かった。途上国などインターネット環境が未整備の地域で空から無線電波を送りネット接続を可能にすることが目的だ。FBは当初、この計画実現のため、米無人機ベンチャー、タイタン・エアロスペース社の買収をもくろんでいたが、同様の計画を進めているライバルの米グーグルに奪われた。争奪戦に敗れたFBは、タイタンより大型の無人機の開発を極秘のパートナーと進めているといい、リベンジを挑む。

 ジャンボ級、ソーラー推進

 「無人機の大きさは、大型旅客機のボーイング747(ジャンボジェット)とほぼ同じ。太陽光発電を動力とし、数カ月から数年間、飛び続けることができる」

 FBでネット接続技術に関する研究の責任者を務めるヤエル・マグワイア氏が22日にニューヨークで開かれたIT業界の会合にゲストとして招かれ、計画の概要を明らかにした。その発言内容を米NBCニュースなどが24日、一斉に伝えた。

 FBが逃したタイタンが開発中の無人機は両翼の全幅が約50メートルで、B777より少し小さい。これに対し、FBは全幅約60~70メートルのジャンボ級の無人機の製造にめどをつけたという。ただ、開発パートナーは明らかにしなかった。

 マグワイア氏は「民間航空機の飛行空域のはるか上空の地上6万~9万フィート(約18.3~27キロ)を飛行できる」と、その性能を説明した。

 計画によると、来年には試作機を完成させ、複数回の試験飛行を実施し、3~5年後の実用化を目指している。マグワイア氏は「太陽光パネルとバッテリーの性能、それらを融合する技術をさらに底上げする必要があるが、われわれのチームはこの計画に本当に興奮している」と意気込んだ。

 研究チームはすでに、「機体の全長がトヨタのプリウス6、7台分で、重量はプリウスのタイヤ4個分という超軽量の無人機の開発に成功した」という。

 途上国整備、競争で加速

 FBの最高経営責任者(CEO)、マーク・ザッカーバーグ氏(30)は昨年8月、「世界の人口の約3分の2にあたる50億人がネットへの接続が困難な状況にある」とし、世界規模で接続環境を整備する組織「インターネット・オルグ」を結成した。ソーラー式無人機のほか、衛星や気球を使い、空から接続のための無線電波を地上に送る方法は、その有力な手段と位置づけられている。

 今年3月にFBがタイタン買収を検討していることが明らかになったが、4月になってグーグルによる買収が発表された。FBはタイタンの無人機をまずはアフリカ大陸上空で飛行させる計画を描いていた。争奪戦に敗れたことで頓挫したとみられていたが、諦めることなく独自に開発を進めていた。

 一方、グーグルはすでに成層圏まで上昇させた気球から電波を送り、辺境地でのネット接続を可能にする「プロジェクト・ルーン」の実験に成功している。このプロジェクトには、新たにタイタンのチームが参加しており、今後は無人機と組み合わせて実用化を急ぐ構えだ。

 無人機をめぐるFBとグーグルの対決が激しさを増すのは確実。それだけ、空からネット接続網を構築するという夢のプロジェクトが実現に近づくことになる。(SANKEI EXPRESS

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