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大統領の「ゴルフ三昧」に批判
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バラク・オバマ米大統領(52)が趣味のゴルフで批判にさらされている。イスラム過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」がイラクのバグダッドをうかがう攻勢にある最中にプレーしていたのはいかがなものかというわけだ。落ち目になったリーダーのゴルフがやり玉に挙げられるのは、万国共通の現象らしい。世界に影響力を持つ指導者だからこそ息抜きは必要だが、それも時と場合による。
オバマ氏は6月24日、昨年の男子ゴルフの団体対抗戦プレジデンツ・カップの選手をホワイトハウスに迎えた。欧州を除く世界選抜で副主将を務めた丸山茂樹(44)や、米国選抜のタイガー・ウッズ(38)、フィル・ミケルソン(44)らそうそうたる面々だ。
「バンカーショットの素晴らしいコツを教えてくれたミケルソンには感謝している。バンカーから脱出できれば、少なくとも2、3打は削れるだろうね」
オバマ氏がこう言うと、ゴルフ仲間でもあるジョー・バイデン副大統領(71)がすかさず「もちろんです。大統領閣下」とおどけて、選手たちの笑いを誘った。
シリアのアサド政権はこの日、国境のイラク側でISILが占拠する町の空爆に踏み切った。イランもイラクに偵察用の無人機を飛ばし、米国が敵視してきたシリア、イランの介入によってイラク情勢は複雑な様相を呈していた。この3日前にもオバマ氏はワシントン近郊のゴルフ場でゴルフを楽しんでいた。緊迫の度を増すイラク情勢とは全く違う時間がオバマ氏の周りには流れているように映る。
世界最強の軍を率いる最高司令官としての判断を迫られる場面で、オバマ氏はことごとくゴルフに興じてきた。
今年3月、ロシアがウクライナ南部クリミア半島を併合しようとしているときに、フロリダ州のリゾート地、キーラーゴで米プロバスケットボール、NBAの元スター選手らと2日間、プレーした。イラク第2の都市、北部モスルを掌握したISILが南に向けて攻勢を続けている状況にあった6月14日には、カリフォルニア州のリゾート地、ランチョミラージュのコースにいた。
ホワイトハウスは、ゴルフ場にいても国家安全保障チームから逐一、報告を受けているため問題がないという立場だ。しかし、ブッシュ政権で副大統領を務めたディック・チェイニー氏(73)は米紙ウォールストリート・ジャーナルで「テロリストたちがイラクの領土や資源を制圧しているときに、オバマ氏はゴルフをしている。米国にとっての危機であることが明確なのに、それに気付いていないか関心がないようだ」と指摘した。
各種世論調査によると、オバマ氏の支持率は過去最低レベルの4割程度に低迷している。最近、41%という結果を発表した大手世論調査会社ギャラップはイラクでの対応が影響しているとの見方を示した。
オバマ政権が重視する中間層の底上げという国内政策の面からも大統領の行動を疑問視する声がある。
「多くの米国人は、自分たちが抱える問題をオバマ大統領が理解していないと思っている。富裕層のスポーツとみられているゴルフをするイメージは、オバマ氏へのこうした評価を裏書きすることになる」
米紙ワシントン・ポストのコラムニスト、ダナ・ミルバンク氏は6月25日、「オバマ大統領の政治的なボギー」と題するコラムでこう記した。
このところ、オバマ氏は与党民主党の苦戦が伝えられる今年11月の中間選挙に向け、企業経営者をホワイトハウスに招くなどして、連邦政府の契約企業職員の最低賃金引き上げなどの国内政策をしきりとアピールしている。ゴルフウエアを着た姿の写真だけで、その効果は大きく減じることになる。
オバマ氏のゴルフには、資金集めを伴うことが少なくなく、「永田町の論理」ならぬ「ワシントンの論理」の象徴として受け止められているのだろう。
中間選挙予備選で保守系草の根運動「ティーパーティー(茶会)」系の共和党候補が一部で善戦している一因は、米国内で高まる「アンチ・ワシントン」の感情だ。それは民主党にも向かう。ワシントンというゴルフ場の外に目を向けなければ、民主党が中間選挙や大統領選で受けるロスは「2、3打」では済まなくなる。(ワシントン支局 加納宏幸/SANKEI EXPRESS)