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【大相撲】「相撲の神様が認めてくれた」 白鵬、最多32度目優勝 大鵬に並ぶ
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大鵬の大記録に並ぶ32度目の優勝を果たし、優勝スピーチで涙腺を緩めた白鵬=2014年11月23日、福岡県福岡市博多区・福岡国際センター(中川春佳撮影) 大相撲九州場所は23日、福岡国際センターで千秋楽を行い、横綱白鵬(29)=本名ムンフバト・ダバジャルガル、モンゴル出身、宮城野部屋=が14勝1敗で32度目の優勝を決め、昨年1月に72歳で死去した「昭和の大横綱」大鵬=本名・納谷幸喜氏=の史上最多優勝記録に並ぶ金字塔を打ち立てた。結びの一番で、白鵬はただ一人2敗で追っていた横綱鶴竜を厳しい速攻相撲で寄り切った。
「一生忘れられない出来事。14年前は62キロの小さい少年がここまで来るとは、誰も想像しなかったと思う。この国の魂、相撲の神様が認めてくれたから、この結果がある」
大鵬の持つ史上最多32回優勝。白鵬は2006年夏場所で初優勝して以来、51場所をかけて大記録に並んだ。大鵬は初優勝から62場所をかけ、30歳だった1971年初場所で32度目の優勝を果たした。
「気分がいい。言葉にならない。待ちに待った優勝だ」
それほどまでに思い入れのある記録だった。モンゴルから来た白鵬をいつもかわいがってくれた元横綱大鵬の納谷幸喜氏は「角界の父」。生前に教わったのが最高位としての覚悟だ。
7年前の横綱昇進時。「横綱になったときには引退することを考えろ」と言われ「怖かった」。浮かれそうになっていた心が一気に引き締まった。
年齢を重ねれば、力の衰えは避けられない。追ってくる後輩もいる。綱を張る者は勝てなくなれば、自ら土俵を去るしかない。贈られた言葉は第一人者を走るいまも胸に刻まれている。
昨年1月の初場所中。納谷氏が亡くなる2日前だった。見舞いに訪れ、「優勝32回に1つでも2つでも近づけるように精進します」と話しかけると、「しっかりやれよ」と言われた。
ずっと目指してきた高みに到達した白鵬。「角界の父との約束だった。恩返しができた」。花道から引き揚げるときには涙をこらえきれなかった。(SANKEI EXPRESS)