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「最強女子」受付から大統領へ HPの元CEOが共和党から出馬検討

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「最強女子」受付から大統領へ HPの元CEOが共和党から出馬検討

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今年5月に米メリーランド州で開かれた保守系団体の会議に登場したカーリー・フィオリーナ氏。2016年の米大統領選への出馬を検討していることが明らかになった=2014年(ロイター)  2016年の米大統領選挙に、米国で最もパワフルな女性経営者といわれたコンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)の元最高経営責任者(CEO)、カーリー・フィオリーナ氏(60)が共和党からの出馬を検討していることが分かった。複数の米メディアが27日までに伝えた。企業の受付担当からキャリアを積み上げ、米国を代表する大企業のトップにまで上り詰めた才媛。女性の社会進出の象徴として知名度も高い。民主党からの出馬が有力視されているヒラリー・クリントン前国務長官(67)と、米国初の女性大統領の座をかけて対決する可能性もあり、全米が動向に注目している。

 「際立った存在」

 ワシントン・ポスト紙(電子版)などによると、フィオリーナ氏は既に有力支持者らと非公式協議を済ませ、選挙スタッフの募集も開始した。近く大統領選の重要州であるアイオワやニューハンプシャーを訪れ、選挙活動を本格化させる方針で、支持者には「新しい局面に入る」と伝えたという。

 共和党予備選への出馬が取り沙汰されている候補者の中では、唯一の女性であり、企業経営者という経歴からも、「自らを際立った存在であると自任している」(ポスト紙)といい、指名獲得に自信を示している。

 フィオリーナ氏は1954年9月に南部テキサス州オースティンで生まれた。スタンフォード大卒業後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のロースクールに入学するが中退。企業の受付や教師など職も転々とする。

 悲運のトップ

 80年に米通信大手AT&Tに入社すると、昇進を重ね、95年にシステム部門の上級副社長に就任。その手腕が認められ、99年にHPのCEOに招(しょう)聘(へい)された。米経済誌フォーチュンが選定する米国の有力20社のトップに女性が就くのは初めてで大きな注目を集めた。

 2002年にパソコン大手コンパックとの合併を主導したが、業績悪化を招き、05年に突如解任され、悲運の女性トップとして再び注目を集めることに。半生をつづった自著『私はこうして受付からCEOになった』(邦題)では「諦めなければ結果は必ずついてくる」と女性たちに奮起を呼び掛けていた。

 ヒラリー氏対抗馬

 HP退社後、政界進出を目指し、08年の大統領選では共和党のジョン・マケイン上院議員(78)の選対幹部を務め、勝っていれば副大統領の可能性もあった。10年に自らカリフォルニア州上院選に出馬したが、民主党現職に敗れた。

 次期大統領選の共和党有力候補には、ジョージ・ブッシュ前大統領の弟で元フロリダ州知事のジェブ・ブッシュ氏(61)やニュージャージー州知事のクリス・クリスティ氏(52)らが挙がっているが、決め手に欠き、「ヒラリー氏には勝てない」(米メディア)との見方がもっぱら。

 フィオリーナ氏の政治経験の乏しさを不安視する声もあるが、混戦模様のなかヒラリー氏への有力対抗馬として指名争いの台風の目となりそうだ。彼女はかつてこう語っていた。

 「21世紀は誰もがリーダーになれる時代だ。肩書や財産、権力、そして性別や国籍と無関係にチャンスと適切なサポートがあれば誰でもリーダーになれる。そうして育ったリーダーは、その国の未来を率いることになるだろう」(SANKEI EXPRESS

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