毎月第１・３火曜日に「美のカリスマ　ＩＫＫＯのちょっといい話聞きたい？」を連載中の美容家、ＩＫＫＯさん（５２）が、自身の言葉を集めた『ＩＫＫＯ　心の格言２００』を刊行した。テレビなどで見せるはじけたキャラクターとはひと味違う、厳しく、そして愛のある言葉が満載だ。

　「不平不満が多いと顔ってたるむのよ。」「上司を理不尽と思うのは、あなたのレベルが低いから。」「男の『忙しい』はだいたい嘘。」－。

　心にグサリと突き刺さる言葉の数々は、女性ファッション誌「ａｎｄＧＩＲＬ」で連載され、大反響を呼んだものだ。本書では、美容、仕事、恋愛、お金、人生の５つのジャンル別に、“未収録名言”を加えた計２００点を収録している。「言葉を上っ面だけなぞるのではなく、その意味を掘り下げています」

　ＩＫＫＯさんといえば、ＳＡＮＫＥＩ　ＥＸＰＲＥＳＳの連載でも分かるように、やさしく、包容力ある言葉のイメージが強い。しかし、本書に収められた言葉は、いずれも切れ味鋭く、潔いものばかり。「５０年以上生きていると、『あのときああすればよかった』と後悔することも多いものです。

　今回は、『二度と繰り返してほしくない』と私が心から思うことについて、オブラートに包むことなく、心に残るようにあえて強い言葉でメッセージを送りました。若いうちは遠回りも人生の引き出しになりますが、年齢を重ねてくると、回り道をしている時間はなくなってきますから。短距離で、ズバッと心に届くように。スパッ、スパッとした言葉にした方が、魔を断ち切ることができますし」

　迷い断ち切れる

　美容や恋愛はもちろんのこと、「ローンはまぼろし～。」など、お金に関する名言も中身が深い。「ローンを払って買ったつもりになっても、全額返し終わるまでは実は自分のものではない。経営者として、私は甘いせりふでは片づけることができないような痛手を負ったことがあります。そういった経営者としての切り口も見ていただけると思います」

　名言はもちろんのこと、今回のために撮り下ろした写真など、こだわりにこだわったビジュアルも美しい。「実は最初、今回の企画をいただいたときに断るつもりだったんです。中途半端な本にはしたくなかったから。

　でも、スタッフの熱意にふれて、このチームだったらビジュアルも言葉も完璧なものにできると確信しました。写真には審美眼や生き方が映りますから、凛としたものを撮っていただきました」

　自身の経験を凝縮させた渾身の著書。「女性にはもちろんのこと、男性にも絶対に読んでいただきたい。経営者、管理職の立場にある方にも、何かしらのビジネスのヒントを受け取ってもらえると思います。美容や恋、ビジネス…あらゆるジャンルでの迷いをスパッと断ち切ることができるはずです」

　迷ったとき、落ち込んだとき…。人生の中で、何度もページをめくりたくなる一冊だ。（塩塚夢／ＳＡＮＫＥＩ　ＥＸＰＲＥＳＳ）

　■いっこー　女性誌をはじめ、テレビ・ＣＭ・舞台などのヘアメークを通じ、「女優メイクＩＫＫＯ」を確立。その後、美容家・タレントとして活動。最近では、コスメをはじめ、多くの女性の美に対するプロデュース業にも注目が集まる。

「ＩＫＫＯ　心の格言２００」（ＩＫＫＯ著／エムオン・エンタテインメント１２００円）