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ソニー攻撃 金氏暗殺映画関係者に集中 北の犯行 ギャラ暴露が「実証」

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ソニー攻撃 金氏暗殺映画関係者に集中 北の犯行 ギャラ暴露が「実証」

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映画「ザ・インタビュー(原題)」の一場面。ジェームズ・フランコさん(左)とセス・ローゲンさん(右)の出演料がサイバー攻撃により漏洩していたことが新たに判明した(ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント提供・AP)  米映像メディア大手、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(SPE、本社・米カリフォルニア州)がサイバー攻撃を受けた問題で、社員の給与など計4万7000人分の個人情報がインターネット上に流出していたことが5日、分かった。中には映画スターに支払われた出演料の情報も含まれ、映画「スパイダーマン」シリーズ(旧3部作)に出演した米俳優、ジェームズ・フランコさん(36)の最新作への出演料が650万ドル(約7億8000万円)であることなどが漏洩(ろうえい)した。フランコさんを含め、漏れた情報はある特定映画の関係者に集中しており、当事者は否定しているものの、某国の関与を強く印象付ける結果となっている。

 主役は7.8億円

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)やニューヨーク・ポスト(いずれも電子版)など米メディアが報じた。データセキュリティー会社の分析結果を引用する形で、流出したのはSPEの現社員約6000人の社会保障番号や自宅住所、給与などの個人情報を記した文書計3万3000件と報道。この中には元社員2000人の個人情報も含まれていた。

 さらに米俳優、シルベスター・スタローンさん(68)、「俺たちニュースキャスター」(2004年)などのコメディー映画で知られる米映画監督、ジャド・アパトー氏(46)、豪の人気コメディー女優、レベル・ウィルソンさん(28)ら多くの人気スターの情報が漏洩。とりわけ米メディアの注目を集めたのが、フランコさんと、カナダ出身の俳優、コメディアン、脚本家のセス・ローゲンさん(32)だった。

 なぜなら2人は、北朝鮮の金正恩第1書記(31)の暗殺を題材にしたSPE制作のコメディー映画「ザ・インタビュー(原題)」(25日全米公開予定)の主要キャストだったからだ。

 各メディアは流出データを基に、この映画の製作費は4400万ドル(約52億8000万円)で、映画の脚本・製作にも関わっているローゲンさんの出演料は840万ドル(約10億円)だったと報道。映画に実名で出演した米ダンサー、ケビン・フェダーラインさん(36)には5000ドル(約60万円)の小切手が切られたことまで明らかにされた。

 「でっち上げ」否定も

 米メディアの多くは、金第1書記を侮辱したこの映画に怒った北朝鮮がサイバー攻撃で報復に出た可能性が高いと報じてきた。ニューヨーク駐在の北朝鮮当局者は米時間の4日、米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に「北朝鮮を標的にしたでっち上げだ」と関与を否定したが、漏洩した情報をみれば、図らずもそれを“実証”してしまった形になる。WSJは、捜査当局が北朝鮮の関与を断定したとまで報じた。

 今回のサイバー攻撃で流出した情報は有名スターのものばかりではない。米経済系ニュースサイト、ビジネスインサイダー(電子版)によると、年間報酬100万ドル(約1億2000万円)以上を得ているSPE幹部17人の年収なども暴露され、最高額は最高経営責任者(CEO)、マイケル・リントン氏(54)の300万ドル(約3億6000万円)であることなどが明らかになった。

 一方、年間報酬100万ドル以上の17人に含まれる女性はエイミー・パスカル会長(56)1人だけ。米ハリウッドでは「男性優位」の実態が問題視され、是正を求められているが、最大手のSPEもその文化にどっぷりと漬かっていることが白日の下にさらされた。身から出たさびとはいえ、今回のサイバー攻撃はSPEが隠したい別の“不都合”まで暴き出してしまったようだ。(SANKEI EXPRESS

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