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【衆院選2014】「全国で手応え」「2年間何していた」

 東京・平河町の自民党本部では、午後8時を過ぎて自民の大勝が報じられ始めると、会見場の壇上に陣取った茂木(もてぎ)敏充選対委員長(59)と稲田朋美政調会長(55)ががっちりと握手を交わした。幹部らは当選確実になった候補者の名前に次々と赤いバラを添え、笑顔を見せた。

 安倍晋三首相(60)が「アベノミクスを問う」と掲げた衆院選だが、投票率は低く、2012年の前回衆院選を大きく下回る見通し。「“永田町の論理”だけで選挙をしたのが低投票率につながったのでは」と問われた谷垣禎一(さだかず)幹事長(69)は「指摘は当たらない」と反論。「増税の判断について国民の信を問うというのは、極めて当然のことだ」とも強調した。

 茂木氏は自民の単独過半数について「事前調査で良い結果も出ていた。全国を回って手応えがあった」と振り返った。

 選挙戦は早くから自民優勢が報じられたが、それでも安倍首相は北海道から九州まで25都道府県で応援演説に駆け回った。特に、民主党の海江田万里(かいえだ・ばんり)代表(65)や枝野幸男(ゆきお)幹事長(50)ら野党幹部との激戦となっていた選挙区に重点を置き、自ら乗り込んで勝利をもぎ取ろうとする執念を見せた。

 13日夜に首相が最後の演説場所に選んだのは、前回衆院選と同じ東京・秋葉原。若者ら約3000人を前にアベノミクスの成果を強調、民主党批判を繰り返したが、集団的自衛権の行使容認や特定秘密保護法には触れずじまいだった。

 ≪【民主】迷走のツケなお重く≫

 野党転落から2年で総選挙を迎えた民主党。安倍内閣で閣僚の不祥事が相次ぐ中での選挙戦だったが、追い風はほとんどなく、小選挙区で党首の敗北も伝えられた。東京都千代田区の党本部の開票センターは、静まり返った。政権時代の迷走を非難する声もあり、当時のツケが重くのしかかった。

 100人を超える報道陣が詰めかけた開票センターの白い壁には、恒例の候補者の名前を連ねたボードはない。

 午後9時すぎ、枝野幸男幹事長は「政権を失って党をゼロから再建している途上での選挙だ。何とか現有議席から伸ばしてもらい、再建に向けた第一歩を確かなものにしたい」と硬い表情。「一度総選挙があれば普通3年強は解散がない中で、2年弱での選挙だった」と恨み節も聞かれた。

 午後10時すぎには海江田万里(かいえだ・ばんり)代表=東京1区=と菅直人(かん・なおと)元首相(68)=東京18区=の選挙区での「敗北確実」が報じられた。

 「自民党が300議席を超える勢いと言われている。いくら自民党が増えても皆さんの声が国政に届くことになりませんよ」。選挙戦最終日の13日、東京都内で海江田氏は敗戦を前提としたかのように訴え、集まった有権者はしらけムードだった。

 3年余りの政権運営には今なお厳しい見方がある。菅元首相は地元での演説で、集まった有権者から手厳しいヤジを受け、握手を拒まれる場面もあった。

 広がらぬ支持に、最大支持基盤の連合の関係者は「民主党が政権時代の不信感を拭うにはあと30年くらいかかるんじゃないか」と指摘。ある労働組合の幹部は「準備不足の陣営が多かった。この2年間何をしていたんだ」と吐き捨てるように話した。

 ≪【公明】役割に高評価≫

 自民党の連立パートナーである公明党は小選挙区では擁立した9人全員が当選した。比例代表を含め計31人の公示前議席を確保した上で、比例の上積みを目指す。山口那津男(なつお)代表(62)は14日夜、党本部で「人事を尽くして天命を待ちたい」と記者団に語った。井上義久幹事長(67)はNHK番組で「生活者の視点を重視する党の役割に高い評価を得た」と述べた。斉藤鉄夫選対委員長(62)は「軽減税率を実現してほしいとの大きな期待を感じた」と強調した。

 ≪【維新】大幅減…存在感低下≫

 維新の党は公示前の42議席から大幅に減らし、存在感の低下は免れない。今後は野党再編に活路を求め、無所属や民主党の一部議員と「新たな枠組み」を模索するとみられる。

 江田憲司共同代表(58)は14日夜のテレビ番組で「(小選挙区で他の野党との)すみ分けを図ったが、やはり国民の信用に足る選択肢たり得なかった」と述べた。橋下(はしもと)徹共同代表(45)は「維新と僕に対する信任がなかったということだ」と総括した。

 ≪【共産】与党批判の受け皿で躍進≫

 共産党は選挙前の8議席から大躍進した。小選挙区と比例代表を合わせて315人を擁立。民主党など他の野党が苦戦する中で与党批判の受け皿となり、比例票を手堅く集めた。志位和夫委員長(60)は14日夜のインターネット番組で「経済でも外交でも、国民目線に立った訴えが評価された」と述べた。(SANKEI EXPRESS

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