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政治
【民主党代表選】長妻、細野、岡田3氏が立候補 勢力伯仲 政策「バラバラ」はや露呈
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民主党代表選の共同記者会見を終えた(左から)岡田克也代表代行、細野豪志(ごうし)元幹事長、長妻昭(あきら)元厚生労働相=2015年1月7日午後、東京都千代田区永田町の民主党本部(酒巻俊介撮影) 民主党代表選が7日告示され、長妻昭・元厚生労働相(54)、細野豪志(ごうし)元幹事長(43)、岡田克也代表代行(61)の3人が立候補を届け出た。3人は届け出後、党本部で共同記者会見に臨み、野党再編に関し、野党第二党の維新の党との合流にいずれも否定的な考えを示した。
民主党は18日の臨時党大会で投開票を行い、新代表を選出する。新代表の任期は2017年9月。今年4月の統一地方選や来年夏の参院選、次期衆院選に向けた党再生のあり方などが争点になる。
共同記者会見では、長妻氏が格差是正の必要性を訴え、「自民党に代わる強い政党になるラストチャンスだ」と訴え、リベラル勢力結集に期待を示した。
細野氏は「過去と決別し、新たな出発を切る」と述べ、弱者重視の経済政策、現実的な安全保障政策に取り組む考えを示した。
岡田氏は「原点回帰」を訴え、「働く人たちの立場に立ち、未来志向の改革政党として党を立て直す」とアピールした。
集団的自衛権の行使については、長妻氏が「反対だ」と明言。細野氏は「現実的な脅威に対応できる姿を示す」と明言を避け、岡田氏は行使容認に一定の理解を示しつつ、安倍晋三政権の閣議決定は「撤回すべきだ」と主張した。
国会議員の動向では現時点で突出した候補はなく、代表選のポイント(総数760ポイント)の約半数を占める党員・サポーターの動向が勝敗を左右することになりそうだ。
≪勢力伯仲 政策「バラバラ」はや露呈≫
党本部で行われた共同記者会見では、3人が党内ガバナンス(統治)の手法をめぐって火花を散らす一幕があった。長年の懸案である党のバラバラ感が早くも露呈した。
長妻氏「寄り合い所帯をまとめていく理念が、新自由主義に対するリベラルだ」
細野氏「共生や多様性こそ保守から出てきた。安倍晋三首相の保守に疑念を持っている」
岡田氏「リベラルは民主党の一つの要素だが、もう少し幅広く保守中道、中道リベラルだ」
「あるべき民主党像」を問われた3人の答えは、リベラルから保守まで幅広い勢力が同居する民主党を象徴していた。集団的自衛権の行使容認の是非をめぐっても、バラバラの見解を示した。先の衆院選で目立った対案を示せず、自民党の「1強」に対抗できなかった反省は見えない。
各陣営とも現時点での国会議員132人の支持確保は30~40人とみられ、勢力が伯仲する。また、3人は会見で、いずれも野党再編に慎重な姿勢を示した。しかし、各推薦人や支持議員を見ると、3人の違いは明白だ。
長妻氏は「民主党が明確に旗を立てるのが先決だ」と述べた。推薦人に連なる赤松広隆前衆院副議長(66)らリベラル勢力は、労働組合批判を繰り返す維新の党への嫌悪感を隠さない。
岡田氏支持の主体は野田佳彦前首相(57)や玄葉光一郎前外相(50)ら政権時代の中枢が占める。同時に、直嶋正行元経済産業相(69)ら民間労組系の支援も得る。岡田氏は維新との合流について「維新の橋下(はしもと)徹最高顧問が民主党の一部と一緒になると言う。民主党の分裂が前提であり、到底受け入れられない」と述べた。
野党再編志向の強い細野氏は「一緒になるのは現実的には難しい」と封印する考えを示した。ただ、推薦人の松本剛明(たけあき)元外相(55)らは党名変更や新党構想もぶち上げ、再編に積極的だ。橋下氏と親交の深い前原誠司元外相(52)も細野氏支援の条件に野党再編を挙げる。
3人が党の課題として掲げたのは、ともに党内のガバナンスの徹底だった。ただ、その手法をめぐっても、さや当てを演じた。ガバナンスの手法を問われた岡田氏は「細野氏と考え方が違うのは、党の中に派閥を作ることだ。古い自民党になる」と述べ、掛け持ち可能なグループ主体の民主党で派閥「自誓会」を立ち上げた細野氏を批判。細野氏は造反者への「厳しい対応」をちらつかせ、長妻氏は「決めたから従えではない」と反論した。
網膜剥離の手術から間もない岡田氏を除く長妻、細野両氏は共同会見後、さっそくJR新宿駅西口で街頭演説を行った。立ち止まった聴衆は200人余りで、演説の途中、「日本から出て行け」との罵声が飛んだ。
各候補は選挙期間中に全国11カ所で街頭演説を行い、党の存在感をアピールする狙いだが、まとまりを欠いた民主党への風当たりは依然厳しいようだ。(SANKEI EXPRESS)